成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | サリチル酸 | 2.0g | |
日本薬局方 | 液状フェノール | 0.5ml | |
湿潤剤 | 日本薬局方 | グリセリン | 4.0ml |
日本薬局方 | クロトリマゾール | 1.0g | |
溶剤 | 日本薬局方 | エタノール | 80ml |
溶剤 | 日本薬局方 | 常水,精製水又は精製水(容器入り) | 適量 |
全量 | 100ml |
製造方法
以上をとり,酒精剤の製法により製する。
用法及び用量
患部を清潔にして,1日2~3回塗布する
効能又は効果
みずむし,いんきんたむし,ぜにたむし
貯蔵方法及び有効期間
気密容器
規格及び試験方法
本品は定量するとき,
サリチル酸 (C7H6O3:138.12)1.8 ~ 2.2w/v% ,
フェノール(C6H6O:94.11)0.40~0.55w/v%,
クロトリマゾール(C22H17ClN2:344.84)0.9~1.1%を含む。
性状
本品は無色澄明な液で,特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品 3mL に水 20mL 及び希塩酸 5mL を加え,ジエチルエーテル 10mLで抽出し,試料溶液とする。別にサリチル酸 30mg 及びフェノール 7mg をそれぞれジエチルエーテル 5mL に溶かし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 5μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/アセトン/酢酸(100)混液(45:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 2 個のスポットの Rf 値は,標準溶液(1)及び標準溶液(2)から得たそれぞれのスポットの Rf 値に等しい。また,この薄層板に塩化鉄(Ⅲ)試液を均等に噴霧するとき,標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは,紫色を呈する。
(2) 本品 10mL をとり,減圧乾固する.残留物に 5mol/L 塩酸試液 10mL を加え,時々振り混ぜながら 10 分間加温する.冷後,ろ過する。ろ液にライネッケ塩試液 3 滴を加えるとき,淡赤色の沈澱を生じる(クロトリマゾール)。
定量法
(1) 本品 4mL を正確に量り,内標準溶液 20mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→2)を加えて 200mL とし,ろ過する。初めのろ液 5mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別にデシケーター(シリカゲル)で 3 時間乾燥した定量用サリチル酸約0.16g 及び定量用フェノール約 0.040g それぞれ精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に溶かし,正確に 50mL とする.この液 25mL を正確に量り,内標準溶液 20mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→2)を加えて 200mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 3μL につき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,試料溶液の内標準物質のピーク面積に対するサリチル酸及びフェノールのピーク面積比 QTa 及び QTb 並びに標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するサリチル酸及びフェノールのピーク面積比QSa 及び QSbを求める。
サリチル酸(C7H6O3)の量(mg) = Wsa × QTa/QSa ×1/2
フェノール(C6H6O)の量(mg) = Wsb × QTb/QSb ×1/2
WSa:定量用サリチル酸の秤取量(mg)
WSb:定量用フェノールの秤取量(mg)
内標準溶液 テオフィリンのメタノール溶液(0.3→1000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 25cm のステンレス管に 5μm の液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:pH7.0 の 0.1mol/L リン酸塩緩衝液/メタノール混液(3:1)
流量:サリチル酸の保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 3μL につき,上記の条件で操作するとき,テオフィリン,サリチル酸,フェノールの順に溶出し,それぞれピークが完全に分離するものを用いる。
(2) 本品 5mL を正確に量り,メタノールを加えて 100mL とし,ろ過する。初めのろ液 5mL を除き,次のろ液 10mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 100mL とし,試料溶液とする.別に定量用クロトリマゾールを 105℃で 2時間乾燥し,その約 0.050g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 100mL とする。
この液 10mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて100mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するクロトリマゾールのピーク面積比 QT 及び QSを求める。
クロトリマゾール(C22H17ClN2)の量(mg) = Ws × QT/QS
WS:定量用クロトリマゾールの秤取量(mg)
内標準溶液 キサントンのメタノール溶液(1.6→10000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 15cm のステンレス管に 5μm の液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール/リン酸塩緩衝液*混液(3:1)
流量:キサントンの保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,キサントン,クロトリマゾールの順に溶出し,それぞれピークが完全に分離するものを用いる。
[注]*:リン酸塩緩衝液:リン酸二水素ナトリウム二水和物 1.56g 及び無水リン酸二ナトリウム 0.71g を水に溶かし,1000mL とする.
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | サリチル酸 | 2.0g | 2.38 | 4.76 | |
日本薬局方 | 液状フェノール | 0.5ml | 1.15 | 0.58 | |
湿潤剤 | 日本薬局方 | グリセリン | 4.0ml | 0.87 | 3.48 |
日本薬局方 | クロトリマゾール | 1.0g | ー | ー | |
溶剤 | 日本薬局方 | エタノール | 80ml | 1.73 | 138.40 |
溶剤 | 日本薬局方 | 常水,精製水又は精製水(容器入り) | 適量 | 0.11 | 1.71 |
全量 | 100ml | 148.92 |
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