成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
局外生規 | ウバイ | 2.0g | |
日本薬局方 | サンショウ | 2.0g | |
日本薬局方 | ビンロウジ | 2.0g | |
日本薬局方 | キジツ | 2.0g | |
日本薬局方 | モッコウ | 2.0g | |
日本薬局方 | シュクシャ | 2.0g | |
日本薬局方 | コウブシ | 2.0g | |
日本薬局方 | ケイヒ | 2.0g | |
局外生規 | センレンシ | 2.0g | |
日本薬局方 | コウボク | 2.0g | |
日本薬局方 | カンゾウ | 2.0g | |
日本薬局方 | カンキョウ | 2.0g | |
全量 | 24.0g |
製造方法
以上の切断又は破砕した生薬をとり,1 包として製する。
用法及び用量
本品 1 包に水約 500mL を加えて,半量ぐらいまで煎じつめ,煎じかすを除き,煎液を 3 回に分けて食間に服用する。上記は大人の 1 日量である。
15 才未満 7 才以上 大人の 2/3,
7 才未満 4 才以上 大人の 1/2,
4 才未満 2 才以上 大人の 1/3,
2 才未満 大人の 1/4 以下を服用する。
効能又は効果
回虫の駆除
貯蔵方法及び有効期間
密閉容器
規格及び試験方法
性状
本品は特異なにおいがある。
確認試験
本品 1 包を白紙上に広げ,各生薬を外観的に選別し,それぞれの生薬につき,次の試験を行う。
(1)ウバイ
果肉とこれに密着した内果皮,及び種子から成り果肉は黒色,外表面をつける部分はときに白色を帯びる。質は柔らかく粘性である。内果皮は淡褐色~帯赤褐色でややつやがあり堅い。厚さは約 2mm である。種子は偏圧した左右不均等な卵形を呈し,一端は鋭くとがり,他の一端は丸みを帯びてここに合点がある。長さ約 1cm,幅約 0.8cm,厚さ約 0.5cm,種皮は暗赤褐色で,合点から先端部に向かう維管束の走行による浅い縦じわがある。胚乳は褐色を呈する。わずかに特異なにおいがあり,果肉部には強い酸味がある。
また,局外生規「ウバイ」の確認試験を準用する。
(2)サンショウ
偏球形のかく果の果皮で,開裂した径約 5mm の 2 心皮からなり,1 果柄に,通例,2~3 個合着するが,しばしば,そのうちの 1 個は,い縮退化していることがある。外面は暗黄赤色~暗赤褐色で,多数のくぼんだ小点があり,内面は淡黄白色である。特異な芳香があり,味は辛く舌を麻ひする。
横切片を鏡検するとき,外面表皮とこれに接する 1 細胞層中には赤褐色のタンニン質を含み,果皮内部には径約 500μm に達する油室があり,ところどころにらせん紋道管を主とする維管束が点在し,ない層は石細胞層からなり,内面表皮細胞は極めて小さい。
(3)ビンロウジ
灰褐色の種皮が白色の胚乳中に入り込んで大理石ようの模様を呈する。味は渋くてわずかに苦い。
また,「ビンロウジ」の確認試験を準用する。
(4)キジツ
外面は濃緑褐色~褐色で,つやがなく,油室による多数のくぼんだ小点がある。
切断面は淡灰褐色を呈し,内果皮を付ける部分は褐色を呈する。特異なにおいがあり,味は苦い。
また,「キジツ」の確認試験を準用する。
(5)モッコウ
外面は黄褐色~灰褐色で,あらい縦じわがる。横断面は黄褐色~暗褐色で,ルーペ視するとき,環状暗色の形成層が認められ,木部組織と放射組織が放射状の模様を呈し,ところどころに大きな裂け目と褐色の油室が散在している。特異なにおいがあり,味は苦い。
(6)シュクシャ
ほぼ球形またはだ円形を呈し,長さ 1~1.5cm,径 0.8~1cm,外面は灰褐色~暗褐色を呈し,石灰を散布して乾燥したものは白粉を付けている。種子塊は薄い膜で 3 室に分かれ,各室に 10~20 個の種子を含む。種子は多角形の粒状で,長さ 3~5mm,径約 3mm,表面には多数の細かい突起があり,質は堅い。種子を縫線に沿って縦断すると,断面は細長く,へそは深くくぼみ,合点はややくぼんでいる。種皮は暗褐色,外乳は白色で,淡黄色の内乳及び胚を包み,胚は細長い。かめば特異なにおいがあり,味は辛い。
(7)コウブシ
外面は灰褐色~灰黒褐色を呈し,不整な輪節があり,その部分に一方に向かって多数の毛がある。質は堅く,横断面は赤褐色~淡黄色を呈し,ろうようのつやを帯び,皮層部の厚さは中心柱の径とほぼ等しいか又はわずかに薄い。横断面をルーペ視するとき,外面は繊維束が褐色のはん点として輪状に並び,皮層部にはところどころに維管束が赤褐色のはん点として,また分泌細胞が黄褐色の微小なはん点として多数存在する。中心柱には多数の維管束が点又は線として散在する。わずかに特異なにおい及び味がある。
(8)ケイヒ
外面は暗赤褐色を呈し,内面は赤褐色を呈し,平滑である。横断面は赤褐色を呈し淡褐色の薄層が見られる。特異なにおいがあり,味は甘く,辛く,後にやや粘液性で,わずかに収れん性である。
横切片を鏡検するとき,一次皮部と二次皮部はほとんど連続した石細胞環で区分され,環の外辺にはほぼ円形に結集した繊維束を伴い,環の各石細胞の膜はしばしば U 字型に肥厚する。二次皮部中には石細胞を認めず,まばらに少数の厚膜繊維を認める。柔組織中には油細胞,粘液細胞及び微細なシュウ酸カルシウムの針晶を含む細胞があり,柔細胞中にはでんぷん粒を含む。
(9)センレンシ
ほぼ球形を呈し,径 1~3cm である。一端は少しくぼみ,他端に雌しべの花柱の跡が小さな点として認められる。外面は淡黄緑色~褐色,又は淡黄色~赤褐色で光沢があり,少しくぼんでいるか,又はしわがある。濃褐色,黄褐色又は褐色の斑点がある。特異なにおいがあり,味は初め酸味があり,後に苦い。
また,局外生規「センレンシ」の確認試験を準用する。
(10)コウボク
外面は灰白色~灰褐色を呈し,内面は淡褐色~褐色,切断面は淡赤褐色を呈し,繊維性である。わずかに芳香があり,味は苦い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は厚く,ほぼ等径性の石細胞が環状に内接する。一次皮部は狭く,内しょう部には繊維群が点在し,二次皮部の放射組織間には師部繊維群が階段状に並ぶ。
油細胞の多数は一次皮部に,少数は二次皮部に散在し,狭い放射組織内にも認められることがある。
また,「コウボク」の確認試験を準用する。
(11)カンゾウ
外面(周皮)は暗褐色~赤褐色で縦じわがあり,切断面は淡黄色で繊維質を呈する。横断面では,皮部と木部の境界はほぼ明らかで,放射状の構造を現す。味は甘い。
横切片を鏡検するとき,皮付きカンゾウでは黄褐色の多層のコルク層とその内層に 1~3 細胞層のコルク皮層がある。皮部には放射組織が退廃師部と交互に放射状に配列し,師部には結晶細胞列で囲まれた厚膜で木化不十分な師部繊維群がある。木部には 3~10 細胞列の放射組織が黄色で巨大な道管と交互に放射状に配列し,道管は結晶細胞列で囲まれた木部繊維及び木部柔細胞を伴い,ストロンに基づくものでは柔細胞性の髄がある。柔細胞内にはでんぷん粒を含み,またしばしばシュウ酸カルシウムの単晶を含む。皮去りカンゾウでは周皮及び師部の一部を欠いている。
(12)カンキョウ
偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し,長さ 2~4cm,径 1~2cm である。外面は灰黄色~灰黄褐色で,しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され,全面に維管束が散在する。特異なにおいがあり,味は極めて辛い。
横切片を鏡検するとき,外側よりコルク層,皮層,内皮,中心柱が認められる。皮層と中心柱は一層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり,繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油よう物質を含む油細胞が散在し,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ,でんぷんはのり化している。
また,「カンキョウ」の確認試験を準用する。
乾燥減量
15%以下。
灰分
6%以下。
備考
椒梅湯
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
局外生規 | ウバイ | 2.0g | 2.21 | 4.42 | |
日本薬局方 | サンショウ | 2.0g | 26.7 | 53.40 | |
日本薬局方 | ビンロウジ | 2.0g | 1.27 | 2.54 | |
日本薬局方 | キジツ | 2.0g | 1.27 | 2.54 | |
日本薬局方 | モッコウ | 2.0g | 1.83 | 3.66 | |
日本薬局方 | シュクシャ | 2.0g | 3.64 | 7.28 | |
日本薬局方 | コウブシ | 2.0g | 1.26 | 2.52 | |
日本薬局方 | ケイヒ | 2.0g | 1.62 | 3.24 | |
局外生規 | センレンシ | 2.0g | ー | ー | |
日本薬局方 | コウボク | 2.0g | 1 | 2.00 | |
日本薬局方 | カンゾウ | 2.0g | 2.13 | 4.26 | |
日本薬局方 | カンキョウ | 2.0g | 1.62 | 3.24 | |
全量 | 24.0g | 89.10 |
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