【 26 】 抗ヒスタミン薬 5―②【鼻炎散2号A】

抗ヒスタミン薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩0.006g
日本薬局方ロートエキス散0.6g
局外規塩酸プソイドエフェドリン0.18g
別紙規格グリチルリチン酸0.2g
日本薬局方カフェイン水和物0.15g
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量
全量3.6g
抗ヒスタミン薬 5―②
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製造方法

以上をとり,散剤の製法により製する。ただし,分包散剤とする。d-クロルフェニラミンマレイン酸塩に替えて,d-クロルフェニラミンマレイン酸塩散 1%を用いてもよい。塩酸プソイドエフェドリンに替えて,塩酸プソイドエフェドリン散 10%を用いてもよい。

用法及び用量

1 回量を次のとおりとし,1 日 3 回,食後服用する。服用間隔は 4 時間以上おくこと。
大人(15 才以上)1 包 1.2g,
11 才以上 15 才未満 大人の 2/3,
7 才以上11 才未満 大人の 1/2,
3 才以上 7 才未満 大人の 1/3

効能又は効果

急性鼻炎,アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ,鼻水(鼻汁過多),鼻づまり,なみだ目,のどの痛み,頭重(頭が重い)

貯蔵方法及び有効期間

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩(C16H19ClN2・C4H4O4:390.87)0.15~0.18%,
塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl:201.69)4.5~5.5%,
グリチルリチン酸(C42H62O16:822.94)5.0~6.1%及び
カフェイン水和物(C8H10N4O2・H2O:212.21)3.8~4.6%を含む。

性状

本品は淡灰褐色の粉末である。

確認試験

(1) 本品 1.0g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別に d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩 2mg,塩酸プソイドエフェドリン0.06g及びカフェイン水和物0.05gをそれぞれメタノール5mLに溶かし,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール(95)・アンモニア水(28)混液(15:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち 3 個のスポットは,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,この薄層板に噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは黄赤色を呈する。

(2) 本品 2.0g に水 80mL を加えて 10 分間振り混ぜた後,ろ過する。ろ液を分液漏斗に移し,アンモニア試液を加えて弱アルカリ性とし,直ちにジエチルエーテル 30mL を加えて振り混ぜる。ジエチルエーテル層を分取し,無水硫酸ナトリウム 3g を加えて振り混ぜた後,ろ過する。ろ液を蒸発乾固し,残留物をエタノール(95)5mL に溶かし,試料溶液とする。別に硫酸アトロピン 5mg をエタノール(95)3mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL を薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・メタノール・アセトン・アンモニア水(28)混液(73:15:10:2)を展開溶液として約10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た 2 個のスポットのうち 1 個のスポットは,標準溶液から得た黄赤色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。

(3) 本品 0.5g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にグリチルリチン酸 6mg をメタノール 5mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。
次に l‐ブタノール・水・酢酸(100)混液(7:2:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち 1 個のスポットは,標準溶液から得た暗紫色のスポットと色調及び Rf値が等しい。

定量法

(1) 本品約 1.0g を精密に量り,薄めたメタノール(1→2)20mL を加えて30 分間振とうし,遠心分離して上清を分取する。沈殿物についても同様に,メタノール抽出を繰り返す。全上清液中に内標準溶液 5mL を加え,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に 50mL とする。この液をろ過し,最初の 10mL を除いた次のろ液を試料溶液とする。
別に定量用クロルフェニラミンマレイン酸塩約 0.04g を精密に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて 100mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加える。この液に定量用塩酸プソイドエフェドリン約 0.06g を精密に量って加え,薄めたメタノール(1→2)を加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するクロルフェニラミンマレイン酸塩及び塩酸プソイドエフェドリンのピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSbを求める。

クロルフェニラミンマレイン酸塩(C16H19ClN2・C4H4O4)の量(mg)=定量用クロルフ
ェニラミンマレイン酸塩の量(mg)×QTa/QSa × 1/20

塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl)の量(mg)
=定量用塩酸プソイドエフェドリンの量(mg)×QTb/QSb

内標準溶液 テレフタル酸ジエチルのメタノール溶液(1→25000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 2g を水 1000mL に溶かす。この液 350mL にメタノール650mL を加える。
流量:塩酸プソイドエフェドリンの保持時間が約 7 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,塩酸プソイドエフェドリン,テレフタル酸ジエチル,クロルフェニラミンマレイン酸塩の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

(2) 本品約 0.1g を精密に量り,薄めたメタノール(7→10)30mL を加えて振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたメタノールを加えて正確に 50mL とする。
この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用グリチルリチン酸約 0.01g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えた後,薄めたメタノール(7→10)を加えて溶かし正確に 50mL とし標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するグリチルリチン酸のピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

グリチルリチン酸(C42H62O16)の量(mg)
=定量用グリチルリチン酸の量(mg)×QT/QS

内標準溶液 パラオキシ安息香酸イソアミルのメタノール溶液(1→5000)

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・薄めた酢酸(1→100)(7:3)
流量:グリチルリチン酸の保持時間が約 8 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸イソアミル,グリチルリチン酸の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

(3)

本品約 0.1g を精密に量り,薄めたメタノール(1→2)30mL を加えて 10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→2)を加えて 50mLとする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用カフェイン水和物約 0.025g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えた後,薄めたメタノール(1→2)を加えて溶かして 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するカフェイン水和物のピーク面積の比 QT及び QS を求める。

カフェイン水和物(C8H10N4O2・H2O)の量(mg)
=定量用カフェイン水和物の量(mg)×QT/QS × 1.0928

内標準溶液 サリチルアミドのメタノール溶液(1→100)

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:水・メタノール混液(7:3)
流量:カフェイン水和物の保持時間が約 4 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,カフェイン水和物,サリチルアミドの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

別紙規格:グリチルリチン酸の規格及び試験方法

本品を乾燥したものは定量するとき,グリチルリチン酸(C42H62O16)96.0~102.0%を含む。

性状

本品は白色~微黄色の結晶性の粉末で,においはなく,特異な甘味がある。

確認試験

(1) 本品 0.5g に水酸化ナトリウム試液 5mL を加えて溶かし,1mol/L 塩酸試液 15mL を加え,10 分間穏やかに煮沸した後,冷却し,ろ過する。ろ紙上の残留物は,よく水洗し,105℃で 1 時間乾燥する。乾燥物 1mg に硫酸 3mL を加え,水浴上で 5 分間加熱し,冷後,バニリンのエタノール(95)溶液(1→100)2mL を加えるとき,液は濃赤紫色を呈する。

(2) (1)のろ液にナフトレゾルシン 10mg 及び塩酸 5 滴を加え,1 分間穏やかに煮沸した後,5 分間放置し,直ちに冷却する。この液にベンゼン 3mL を加えて振り混ぜるとき,ベンゼン層は赤紫色を呈する。

pH 本品 1.0g にエタノール(95)50mL 及び新たに煮沸し,冷却した水 50mL を加えて溶かした液の pH は 2.5~3.5 である。

純度試験

(1) 溶状 本品 1.0g にエタノール(95)20mL を加えて溶かすとき,液は無色~微黄色澄明である。
(2) アンモニア 本品 0.20g に熱湯 20mL を加えてよく振り混ぜた後,水酸化ナトリウム試液 5mL を加えて加熱するとき,発生するガスは,潤した赤色リトマス紙を青変しない。
(3) 重金属 本品 2.0g をとり,硫酸少量で潤し 450~500℃で強熱して灰化する。残留物に希酢酸 2mL を加え,加温して溶かした後,水を加えて 50mL とする。これを検液とし,試験を行う。比較液には鉛標準液 2.0mL を加える(10ppm 以下)。
(4) ヒ素 本品 0.50g に硝酸 10mL 及び硫酸 5mL を加え,注意しながら加熱する。液が無色~微黄色にならないときは,冷後,時々硝酸 2~3mL ずつを追加し,液が無色~微黄色になるまで加熱する。冷後,飽和シュウ酸アンモニウム溶液 15mL を加え,白煙が発生するまで加熱する。冷後,水を加えて 20mL とする。これを検液とし,装置Bを用いる方法により試験を行う(4ppm 以下)。

乾燥減量

6.0%以下(1g,105℃,1 時間)。

強熱残分

0.20%以下(1g)。

定量法

本品を乾燥し,その約 0.1g を精密に量り,希エタノールに溶かして 250mL とする。この液 10mL に希エタノールを加えて 100mL とする。この液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長 252nm 付近の吸収極大の波長における吸光度Aを測定する。

グリチルリチン酸(C42H62O16)の量(mg)= A/136 × 25000

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩0.006g29.70.18
日本薬局方ロートエキス散0.6g74.20
局外規塩酸プソイドエフェドリン0.18g
別紙規格グリチルリチン酸0.2g
日本薬局方カフェイン水和物0.15g9.71.46
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量0.751.85
全量3.6g7.68

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