【 350 】 K148【当帰湯】

漢方薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方トウキ5.0g
日本薬局方ハンゲ5.0g
日本薬局方シャクヤク3.0g
日本薬局方コウボク3.0g
日本薬局方ケイヒ3.0g
日本薬局方ニンジン3.0g
日本薬局方カンキョウ1.5g
日本薬局方オウギ1.5g
日本薬局方サンショウ1.5g
日本薬局方カンゾウ1.0g
全量27.5g
K148
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製造方法

以上の切断又は破砕した生薬をとり,1 包として製する。

用法及び用量

本品 1 包に水約 500mL を加えて,半量ぐらいまで煎じつめ,煎じかすを除き,煎液を 3 回に分けて食間に服用する。上記は大人の 1 日量である。
15 才未満 7 才以上 大人の 2/3,
7 才未満 4 才以上 大人の 1/2,
4 才未満 2 才以上 大人の 1/3,
2 才未満 大人の 1/4 以下を服用する。

効能又は効果

体力中等度以下で,背中に冷感があり,腹部膨満感や腹痛・胸背部痛のあるものの次の諸症:胸痛,腹痛,胃炎

貯蔵方法及び有効期間

密閉容器

規格及び試験方法

性状

本品は特異なにおいがある。

確認試験

本品 1 包を白紙上に広げ,各生薬を外観的に選別し,それぞれの生薬につき,次の試験を行う。

(1) トウキ
外面は暗褐色~赤褐色で,縦じわがあり,切断面は淡黄色~黄褐色を呈する。特異なにおいがあり,味はわずかに甘く,後にやや辛い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は 4~10 層からなり,その内側に数層の厚角組織が続いている。皮部には分泌細胞に囲まれた多数の樹脂道並びにしばしば大きなすき間がある。
形成層は長方形に偏圧された数層の細胞からなり,明らかに皮部と木部とを区別する。木部では多数の道管と放射組織とが交互に放射状に配列し,その外方の道管は単独又は数個集まってやや密に配列してくさび状をなすが,中心部付近の道管は極めてまばらに存在する。でんぷん粒は径 19μm 以下,まれに 2~5 個の複粒があり,複粒の径は 25μm に達し,しばしばのり化している。

(2) ハンゲ
外面は白色~灰白黄色,上部には茎の跡がくぼみとなり,その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている。横断面は白色,粉性である。味は初めなく,やや粘液性で,後に強いえぐ味を残す。
横切片を鏡検するとき,主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり,わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含んだ粘液細胞がその間に認められる。でんぷん粒は主として 2~3 個の複粒で,通例,径 10~15μm,単粒は通例径 3~7μm である。束晶は長さ 25~150μmである。

(3) シャクヤク
外面は褐色~淡灰褐色を呈し,横断面はち密で淡灰褐色を呈し,木部には淡褐色の放射状の線がある。わずかに特異なにおいがあり,味は初めわずかに甘く,後に渋くてわずかに苦い。
また,「シャクヤク」の確認試験を準用する。

(4) コウボク
外面は灰白色~灰褐色を呈し,内面は淡褐色~褐色,切断面は淡赤褐色を呈し,繊維性である。わずかに芳香があり,味は苦い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は厚く,ほぼ等径性の石細胞が環状に内接する。一次皮部は狭く,内しょう部には繊維群が点在し,二次皮部の放射組織間には師部繊維群が階段状に並ぶ。油細胞の多数は一次皮部に,少数は二次皮部に散在し,狭い放射組織内にも認められることがある。
また,「コウボク」の確認試験を準用する。

(5) ケイヒ
外面は暗赤褐色を呈し,内面は赤褐色を呈し,平滑である。横断面は赤褐色を呈し淡褐色の薄層が見られる。特異なにおいがあり,味は甘く,辛く,後にやや粘液性で,わずかに収れん性である。
横切片を鏡検するとき,一次皮部と二次皮部はほとんど連続した石細胞環で区分され,環の外辺にはほぼ円形に結集した繊維束を伴い,環の各石細胞の膜はしばしば U 字形に肥厚する。二次皮部中には石細胞を認めず,まばらに少数の厚膜繊維を認める。柔組織中には油細胞,粘液細胞及び微細なシュウ酸カルシウムの針晶を含む細胞があり,柔細胞中にはでんぷん粒を含む。

(6) ニンジン
外面は淡黄褐色~淡灰褐色を呈し,縦じわがあり,横断面は淡黄褐色を呈し,形成層の付近は褐色を呈する。特異なにおいがあり,味は初めわずかに甘く,後にやや苦い。
また,「ニンジン」の確認試験を準用する。

(7) カンキョウ
偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し,長さ 2~4cm,径 1~2cm である。外面は灰黄色~灰黄褐色で,しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され,全面に維管束が散在する。特異なにおいがあり,味は極めて辛い。
横切片を鏡検するとき,外側よりコルク層,皮層,内皮,中心柱が認められる。皮層と中心柱は一層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり,繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油様物質を含む油細胞が散在し,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ,でんぷんは糊化している。
また,「カンキョウ」の確認試験を準用する。

(8) オウギ
外面は淡灰黄色~淡褐黄色で,不規則なあらい縦じわがあり,折面は繊維性である。横断面をルーペ視するとき,最外層には周皮があり,皮部は淡黄白色,木部は淡黄色,形成層付近はやや褐色を帯びる。木部から皮部にわたって白色の放射組織が認められる。太いものではしばしば多数の放射状の裂け目となっている。わずかに特異なにおいがあり,味は甘い。

(9) サンショウ
偏球形のさく果の果皮で,開裂した径約 5mm の 2 心皮からなり,1果柄に,通例,2~3 個合着するが,しばしば,そのうちの 1 個は,い縮退化していることがある。外面は暗黄赤色~暗赤褐色で,多数のくぼんだ小点があり,内面は淡黄白色である。特異な芳香があり,味は辛く舌を麻ひする。
横切片を鏡検するとき,外面表皮とこれに接する 1 細胞層中には赤褐色のタンニン質及びアントシアンを含み,果皮内部には径約 500μm に達する大きな油室があり,ところどころにらせん紋道管を主とする維管束が点在し,内層は石細胞層からなり,内面表皮細胞は極めて小さい。

(10) カンゾウ
外面(周皮)は暗褐色~赤褐色で縦じわがあり,切断面は淡黄色で繊維質を呈する。横断面では,皮部と木部の境界はほぼ明らかで,放射状の構造を現わす。
味は甘い。
横切片を鏡検するとき,皮付きカンゾウでは黄褐色の多層のコルク層とその内層に 1~3細胞層のコルク皮層がある。皮部には放射組織が退廃師部と交互に放射状に配列し,師部には結晶細胞列で囲まれた厚膜で木化不十分な師部繊維群がある。木部には 3~10 細胞列の放射組織が黄色で巨大な道管と交互に放射状に配列し,道管は結晶細胞列で囲まれた木部繊維及び木部柔細胞を伴い,ストロンに基づくものでは柔細胞性の髄がある。柔細胞中にはでんぷん粒を含み,またしばしばシュウ酸カルシウムの単晶を含む。皮去りカンゾウでは周皮及び師部の一部を欠いている。

乾燥減量

15%以下。

灰分

5%以下。

備考

当帰湯

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方トウキ5.0g3.0715.35
日本薬局方ハンゲ5.0g4.5722.85
日本薬局方シャクヤク3.0g2.878.61
日本薬局方コウボク3.0g13.00
日本薬局方ケイヒ3.0g1.624.86
日本薬局方ニンジン3.0g17.9753.91
日本薬局方カンキョウ1.5g1.622.43
日本薬局方オウギ1.5g2.333.50
日本薬局方サンショウ1.5g26.740.05
日本薬局方カンゾウ1.0g2.132.13
全量27.5g156.69

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