【 15 】 かぜ薬 3―③【感冒剤3号A】

かぜ薬
スポンサーリンク

成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%0.6g
日本薬局方クロルフェニラミンマレイン酸塩0.0075g
日本薬局方ジヒドロコデインリン酸塩散 1%2.4g
日本薬局方ノスカピン0.048g
日本薬局方アセトアミノフェン0.45g
日本薬局方エテンザミド0.75g
日本薬局方カフェイン水和物0.075g
日本薬局方カンゾウ末0.8g
日本薬局方キキョウ末1.6g
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量
全量7.5g
かぜ薬 3―③
スポンサーリンク

製造方法

以上をとり,散剤の製法により製する。ただし,分包散剤とする。クロルフェニラミンマレイン酸塩に替えて,クロルフェニラミンマレイン酸塩散1%を用いてもよい。

用法及び用量

1 回量を次のとおりとし,1 日 3 回,食後服用する。
大人(15 才以上)1 包 2.5g,
12 才以上 15 才未満 大人の 2/3

効能又は効果

かぜの諸症状(鼻水,鼻づまり,くしゃみ,のどの痛み,せき,たん,悪寒,発熱,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和

貯蔵方法及び有効期間

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
dl‐メチルエフェドリン塩酸塩(C11H17NO・HCl:215.72)0.65~0.97%,
クロルフェニラミンマレイン酸塩(C16H19ClN2・C4H4O4:390.87)0.09~0.11%,
ジヒドロコデインリン酸塩(C18H23NO3・H3PO4:399.38)0.26~0.39%,
ノスカピン(C22H23NO7:413.43)0.58~0.70%,
アセトアミノフェン(C8H9NO2:151.17)5.4~6.6%,
エテンザミド(C9H11NO2:165.19)9.0~11.0%及び
カフェイン水和物(C8H10N4O2・H2O:212.21)0.9~1.1%を含む。

性状

本品は淡褐色の粉末である。

確認試験

(1) 本品 1.0g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別に dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%0.08g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を標準溶液(1)とする。クロルフェニラミンマレイン酸塩 5mg をメタノール 25mL に溶かし,標準溶液(2)とする。ジヒドロコデインリン酸塩散 1%0.3g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過する。ろ液を蒸発乾固し,残留物をメタノール 1mL に溶かし,標準溶液(3)とする。ノスカピン 6mg をメタノール 5mLに溶かし,標準溶液(4)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製し
た薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール(95)・アンモニア水(28)混液(15:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。この薄層板に噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち 4 個のスポットは,標準溶液(1),標準溶液(2),標準溶液(3)及び標準溶液(4)から得た黄赤色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。

(2)本品 1.0g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にアセトアミノフェン 0.06g,エテンザミド 0.1g 及びカフェイン水和物 0.01g をそれぞれメタノール 5mL に溶かし,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・ヘキサン混液(4:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 3個のスポットは,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が等しい。

(3) 本品 2.0g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にグリチルリチン酸 5mg をメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に l‐ブタノール・水・酢酸(100)混液(7:2:1)を展開溶媒とし約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち 1 個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及び Rf 値が等しい。

(4) 本品 1.5g にメタノール 30mL を加え,水浴上で 10 分間加温し,冷後,ろ過する。
ろ液を蒸発乾固し,残留物をメタノール 2mL に溶かし,試料溶液とする。別にキキョウ末0.4g にメタノール 10mL を加え,試料溶液と同様に操作し,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL を薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・メタノール・水混液(13:10:2)を展開溶媒とし約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。
これにバニリン・硫酸溶液*を均等に噴霧し,105℃で 10 分間加熱するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち 1 個のスポットは,標準溶液から得た緑褐色の主スポットと色調及び Rf 値が等しい。

[注]*バニリン・硫酸溶液:バニリン 0.5g にメタノール 25mL 及び希硫酸 25mL を加える。

定量法

(1)本品約 0.75g を精密に量り,薄めたアセトニトリル(4→10)30mL を加えて 10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたアセトニトリル(4→10)を加えて 50mL とし,ろ過する。初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%約 0.06g 及びジヒドロコデインリン酸塩散 1%0.24g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えた後,薄めたアセトニトリル(4→10)を加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する dl‐メチルエフェドリン塩酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩のピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。

dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%の量(mg)
=dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%の量(mg)×QTa/QSa

ジヒドロコデインリン酸塩散 1%の量(mg)
=ジヒドロコデインリン酸塩散 1%の量(mg)×QTb/QSb

内標準溶液 パラオキシ安息香酸イソアミルの薄めたアセトニトリル(1→4)溶液(1→2000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 2.0g を薄めたリン酸(1→1000)1000mL に溶かす。この液 600mL にアセトニトリル 400mL を加える。
流量:リン酸ジヒドロコデインの保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ジヒドロコデインリン酸塩,dl‐メチルエフェドリン塩酸塩,パラオキシ安息香酸イソアミルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(2)

本品約 1.5g を精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)30mL を加え,10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたアセトニトリル(1→2)を加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。
別に定量用クロルフェニラミンマレイン酸塩約0.03g及び定量用ノスカピン約0.19gを精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)に溶かし,正確に 100mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたアセトニトリル(1→2)を加えて50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するクロルフェニラミンマレイン酸及びノスカピンのピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。

クロルフェニラミンマレイン酸塩(C16H19ClN2・C4H4O4)の量(mg)
=定量用酸クロルフェニラミンマレイン酸塩の量(mg)× QTa/QSa × 1/20

ノスカピン(C22H23NO7)の量(mg)
=ノスカピンの量(mg)× QTb/QSb × 1/20

内標準溶液 パラオキシ安息香酸イソアミルの薄めたアセトニトリル(1→2)溶液(1→10000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 2.0g を薄めたリン酸(1→1000)1000mL に溶かす。この液 550mL にアセトニトリル 450mL を加える。
流量:ノスカピンの保持時間が約 7 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ノスカピン,クロルフェニラミンマレイン酸塩,パラオキシ安息香酸イソアミルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(3) 本品約 0.25g を精密に量り,メタノール 30mL を加え,10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用アセトアミノフェン約0.15g 及び定量用カフェイン水和物約 0.025g をそれぞれ精密に量り,メタノールに溶かし正確に 100mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するアセトアミノフェン及びカフェイン水和物のピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。

アセトアミノフェン(C8H9NO2)の量(mg)
=定量用アセトアミノフェンの量(mg)×QTa/QSa × 1/20

カフェイン水和物(C8H10N4O2・H2O)の量(mg)
=定量用カフェイン水和物の量(mg)×QTb/QSb × 1/20

内標準溶液 パラオキシ安息香酸のメタノール溶液(1→1000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→1000)・アセトニトリル混液(93:7)
流量:パラオキシ安息香酸の保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,アセトアミノフェン,カフェイン水和物,パラオキシ安息香酸の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(4) 本品約 0.5g を精密に量り,メタノール 30mL を加え,10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用エテンザミド約 0.05g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するエテンザミドのピーク面積の比 QT 及び QS を求める。

エテンザミド(C9H11NO2)の量(mg)
=定量用エテンザミドの量(mg)×QT/QS

内標準溶液 サリチル酸のメタノール溶液(1→70)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→1000)・メタノール混液(3:2)
流量:エテンザミドの保持時間が約 7 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,エテンザミド,サリチル酸の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

備考

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方dl‐メチルエフェドリン塩酸塩散 10%0.6g
日本薬局方クロルフェニラミンマレイン酸塩0.0075g29.70.22
日本薬局方ジヒドロコデインリン酸塩散 1%2.4g7.518.00
日本薬局方ノスカピン0.048g241.511.59
日本薬局方アセトアミノフェン0.45g7.33.29
日本薬局方エテンザミド0.75g7.85.85
日本薬局方カフェイン水和物0.075g9.70.73
日本薬局方カンゾウ末0.8g3.22.56
日本薬局方キキョウ末1.6g2.594.14
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量0.750.58
全量7.5g46.96

コメント