【 229 】 K36―①【響声破笛丸】

成分及び分量または本質

製造方法

以上の生薬をそれぞれ末とし，「ハチミツ」を結合剤として丸剤の製法により丸剤 175 個とする。

用法及び用量

大人 1 日数回，1 回 20 個を口に含み，徐々に溶かして服用する。
15 才未満 7 才以上 大人の 2/3，7 才未満 5 才以上 大人の 1/2 を服用する。

効能又は効果

しわがれ声，咽喉不快

貯蔵方法及び有効期間

密閉容器

規格及び試験方法

性状

本品は黄褐色～淡黄褐色で，ハッカのにおいがある。

確認試験

（１） レンギョウ
（ⅰ） 本品の粉末 1g に無水酢酸 10mL を加えてよく振り混ぜ，2分間放置した後，ろ過する。ろ液 1mL に硫酸 0.5mL を穏やかに加えるとき，境界面は赤紫色を呈する（トリテルペノイド）。
（ⅱ） 本品の粉末 2g にメタノール 10mL を加え，水浴上で 2 分間加温した後，ろ過する。ろ液 5mL にリボン状マグネシウム 0.1g 及び塩酸 1mL を加えて放置するとき，液は淡赤色～黄赤色を呈する（フラボノイド）。

（２） カンゾウ
本品の粉末 2g にエタノール（95）・水混液（7：3）10mL を加え，水浴上で 5 分間振り混ぜながら加熱し，冷後，ろ過し，ろ液を試料溶液とする。別に薄層クロマトグラフ用グリチルリチン酸 5mg をエタノール（95）・水混液（7：3）1mL に溶かし，標準溶液とする。これらの液につき，薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液10μL 及び標準溶液 4μL を薄層クロマトグラフ用シリカゲル（蛍光剤入り）を用いて調製した薄層板にスポットする。次に，1‐ブタノール・水・酢酸（100）混液（7：2：1）を展開溶媒として約 10cm 展開した後，薄層板を風乾する。これに紫外線（主波長 254nm）を照射するとき，試料溶液から得た数個のスポットのうち 1 個のスポットは，標準溶液から得た暗紫色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。

（３） キキョウ
本品の粉末 4g にメタノール 30mL を加え，水浴上で 10 分間加温し，冷後，ろ過する。ろ液を蒸発乾固し，残留物をメタノール 4mL に溶かし，必要ならばろ過し，試料溶液とする。別にキキョウの粉末 0.7g をとり，試料溶液と同様に操作して標準溶液とする。これらの液につき，薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・メタノール・水混液（13：10：2）を展開溶媒として約 10cm 展開した後，薄層板を風乾する。これにバニリン・硫酸試液を均等に噴霧し，105℃で 5 分間加熱するとき試料溶液から得たクロマトグラムの中に，標準溶液から得たスポットと同一の色調及び Rf 値をもつスポットを認める。

（４） カシ
本品の粉末 3g に水 10mL を加えてよく振り混ぜた後，ろ過する。ろ液に塩化鉄（Ⅲ）試液 1～2 滴を加えるとき，液は暗紫色を呈する。

（５） シュクシャ
本品の粉末に，薄めたグリセリン（1→2）又は抱水クロラール 50gを水 15mL とグリセリン 10mL の混液に溶かした液を滴加して鏡検するとき，多角形で膜の厚い褐色の石細胞群の破片を認める。

（６） センキュウ
本品の粉末に，薄めたグリセリン（1→2）又は抱水クロラール 50gを水 15mL とグリセリン 10mL の混液に溶かした液を滴加して鏡検するとき，無色でのり化したでんぷんの塊とこれを含む柔細胞の破片を認める。

（７） アセンヤク
本品の粉末に，オリブ油又は流動パラフィンを滴加して鏡検するとき，針状結晶の塊又は黄褐色～赤褐色の有角性の破片を認める。

（８） ダイオウ
本品の粉末に，薄めたグリセリン（1→2）又は抱水クロラール 50g を水 15mL とグリセリン 10mL の混液に溶かした液を滴加して鏡検するとき，30～60μm（稀に 100μm を超えるものあり）のシュウ酸カルシウムの集晶を認める。

備考

響声破笛丸

薬価

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