成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | イブプロフェン | 0.45g | |
日本薬局方 | dl-メチルエフェドリン塩酸塩散 10% | 0.6g | |
日本薬局方 | dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 0.0075g | |
日本薬局方 | カフェイン水和物 | 0.075g | |
日本薬局方 | ジヒドロコデインリン酸塩散 1% | 2.4g | |
賦形剤 | 日本薬局方 | デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物 | 適量 |
全量 | 4.5g |
製造方法
以上をとり,散剤の製法により製する。ただし,分包散剤とする。
ただし,dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩に替えて,dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩散1%を用いてもよい。
用法及び用量
大人(15才以上)1回1.5gを1日3回,食後服用する。
効能又は効果
かぜの諸症状(鼻水,鼻づまり,くしゃみ,のどの痛み,せき,たん,悪寒,発熱,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和
貯蔵方法及び有効期間
遮光した密閉容器
規格及び試験方法
本品を定量するとき,
イブプロフェン(C13H18O2:206.28)8~12%,
dl-メチルエフェドリン塩酸塩(C11H17NO・HCl:215.72)1.1~1.6%,
dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩(C16H19ClN2・C4H4O4:390.87)0.13~0.20%,
カフェイン水和物(C8H10N4O2・H2O:212.21)1.3~2.0%,
ジヒドロコデインリン酸塩(C18H23NO3・H3PO4:399.38)0.43~0.64%を含む。
性状
本品は白色の粉末である。
確認試験
(1) 本品 1.0gをアンモニア試液 1mol/L 1mL で湿潤した後,ジエチルエーテル 40mL を加えて 15 分間振とうし,遠心分離して上清を除く。沈殿物にメタノール 40mLを加え振とうした後,ろ過し,ろ液を約 2mL となるまで減圧濃縮し,試料溶液とする。別にイブプロフェン 0.5gをメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム:メタノール:水混液(65:35:10)下層を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これにニンヒドリン試薬を均等に噴霧し,105℃で5分間加熱するとき,試料溶液から得られたスポットのうち 1 個は,イブプロフェン標準液から得た紅色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。
(2) 本品 1.0g をアンモニア試液 1mol/L 1mL で湿潤した後,ジエチルエーテル 40mLを加えて 15 分間振とうし,遠心分離して上清を除く。沈殿物にメタノール 40mL を加え振とうした後,ろ過し,ろ液を約 2mL となるまで減圧濃縮し,試料溶液とする。別にカフェイン水和物 0.1g をメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム:メタノール:水混液(65:35:10)下層を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得られたスポットのうち 1 個は,カフェイン水和物標準品から得た黒色吸収スポットと Rf 値が等しい。
(3) 本品 1.0g をアンモニア試液 1mol/L 40mL を加え,クロロホルム 40mL で 15 分間振とうし,遠心分離し,得られたクロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥後,約 2mL となるまで減圧濃縮し,試料溶液とする。別に dl-メチルエフェドリン塩酸塩散 10% 0.1g(同原末 0.01g 相当量)をメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に 1-ブタノール:酢酸:水混液(7:2:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。
これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得られたスポットのうち 1 個は,dl-メチルエフェドリン塩酸塩から得た黄褐色のスポットと色調及び Rf値が等しい。
(4) 本品 1.0g をアンモニア試液 1mol/L 1mL で湿潤した後,ジエチルエーテル 40mLを加えて 15 分間振とうし,遠心分離して上清を除く。沈殿物にメタノール 40mL を加え振とうした後,ろ過し,ろ液を約 2mL となるまで減圧濃縮し,試料溶液とする。別にジヒドロコデインリン酸塩散 1% 0.5g(同原末 0.005g 相当量)をメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エステル:エタノール:アンモニア水(28)混液(15:5:1) を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得られたスポットのうち 1 個は,ジヒドロコデインリン酸塩から得た黄褐色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。
(5) 本品 1.0g をアンモニア試液 1mol/L 1mL で湿潤した後,ジエチルエーテル 40mLを加えて 15 分間振とうし,遠心分離して上清を除く。沈殿物にメタノール 40mL を加え振とうした後,ろ過し,ろ液を約 2mL となるまで減圧濃縮し,試料溶液とする。別に dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.01g をメタノール 2mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エステル:エタノール:アンモニア水(28)混液(15:5:1) を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得たスポットのうち 1 個のスポットは,標準溶液から得た黄褐色のスポットと色調及び Rf 値が等しい。
定量法
(1) 本品約 1.0g を精密に量り,希エタノール 80mL を加え約 10 分間振り混ぜた後,更に希エタノールを加えて正確に 100mL とし試料溶液とする。別に約 500mgの dl-メチルエフェドリン塩酸塩散 10%を精密に量り,希エタノールに溶解し正確に 50mLとし,標準溶液とする。同様に,約 500mg のジヒドロコデインリン酸塩散 1%を精密に量り,希エタノールに溶解し正確に 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液および標準溶液はそれぞれ 0.45μL のフィルターでろ過し,その 10μL につき次の条件で液体クロマトグラフィーによりピーク高さによる絶対検量線法で試験を行う。それぞれの標準溶液は希エタノールで段階的に希釈し検量線を求め,これをもとに成分含量を算出する。
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 150mm のステンレス管に 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度: 40℃付近の一定温度
移動相:ラウリル硫酸ナトリウム(1→128)/アセトニトリル/リン酸(640:440:1)
流量:1.0mL/min
カラムの選定:標準溶液 10μL につき上記の条件で操作するとき,dl-メチルエフェドリン,ジヒドロコデインの順に溶出し,その分離度は 2 以上である。
(2) 本品約 1.0gを精密に量り,希エタノール 80mL を加え約 10 分間振り混ぜた後,更に希エタノールを加えて正確に 100mL とし,試料溶液とする。別にイブプロフェン標準品約 20mg を精密に量り,希エタノールに溶解し正確に 100mL としたものを標準溶液とする。試料溶液および標準溶液はそれぞれ 0.45μL のフィルターでろ過し,その 10μL につき次の条件で液体クロマトグラフィーによりピーク高さによる絶対検量線法で試験を行う。
それぞれの標準溶液は希エタノールで段階的に希釈し検量線を求め,これをもとに成分含量を算出する。
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:235nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 150mm のステンレス管に 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/リン酸(100:100:1)
流量:1.0mL/min
カラムの選定:標準溶液 10μL につき上記の条件で操作するとき,イブプロフェンの理論段数およびシンメトリー係数は,5,000 段以上,1.5 以下である。
(3) 本品約 1.0g を精密に量り,希エタノール 80mL を加え約 10 分間振り混ぜた後,更に希エタノールを加えて正確に 100mL とする。この液をろ過して試料原液とし,これを10 倍に希釈し試料溶液とする。別に dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩標準品約 10mg を精密に量り,希エタノールに溶解し正確に 100mL としたものを標準溶液とする。試料溶液および標準溶液はそれぞれ 0.45μL のフィルターでろ過し,その 10μL につき次の条件で液体クロマトグラフィーによりピーク面積による絶対検量線法で試験を行う。それぞれの標準溶液は希エタノールで段階的に希釈し検量線を求め,これをもとに成分含量を算出する。
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 150mm のステンレス管に 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/リン酸(850:150:1)
流量:1.0mL/min
カラムの選定:標準溶液 10μL につき上記の条件で操作するとき,dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩の理論段数およびシンメトリー係数は,5,000 段以上,1.5 以下である。
(4) 本品約 1.0g を精密に量り,希エタノール 80mL を加え約 10 分間振り混ぜた後,更に希エタノールを加えて正確に 100mL とする。この液をろ過して試料原液とし,これを10 倍に希釈し試料溶液とする。別にカフェイン水和物標準品約 10mg を精密に量り,希エタノールに溶解し正確に 100mL としたものを標準溶液とする。試料溶液および標準溶液はそれぞれ 0.45μL のフィルターでろ過し,その 10μL につき次の条件で液体クロマトグラフィーによりピーク面積による絶対検量線法で試験を行う。それぞれの標準溶液は希エタノールで段階的に希釈し検量線を求め,これをもとに成分含量を算出する。
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径 4.6mm,長さ 150mm のステンレス管に 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.1%リン酸/アセトニトリル(9:1)
流量:1.0mL/min
カラムの選定:標準溶液 10μL につき上記の条件で操作するとき,カフェイン水和物の理論段数およびシンメトリー係数は,5,000 段以上,1.5 以下である。
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | イブプロフェン | 0.45g | ー | ー | |
日本薬局方 | dl-メチルエフェドリン塩酸塩散 10% | 0.6g | 7.3 | 4.38 | |
日本薬局方 | dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 0.0075g | 29.7 | 0.22 | |
日本薬局方 | カフェイン水和物 | 0.075g | 9.7 | 0.73 | |
日本薬局方 | ジヒドロコデインリン酸塩散 1% | 2.4g | 7.5 | 18.00 | |
賦形剤 | 日本薬局方 | デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物 | 適量 | 0.75 | 0.73 |
全量 | 4.5g | 24.06 |
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