【 172 】 ビタミン主薬製剤 3―①【混合ビタミン剤1号】

ビタミン主薬製剤
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方リボフラビン酪酸エステル0.02g
日本薬局方ピリドキシン塩酸塩0.1g
日本薬局方パントテン酸カルシウム0.03g
日本薬局方ニコチン酸アミド0.06g
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量
全量4.5g
ビタミン主薬製剤 3―①
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製造方法

以上をとり,散剤の製法により製する。ただし,分包散剤とする。

用法及び用量

1 回量を次のとおりとし,1 日 3 回,食後服用する。
大人(15 才以上)1 包 1.5g,
11 才以上 15 才未満 大人の 2/3,
7 才以上11 才未満 大人の 1/2,
3 才以上 7 才未満 大人の 1/3,
1 才以上 3 才未満 大人の 1/4

効能又は効果

○次の諸症状の緩和:口角炎,口唇炎,口内炎,舌炎,湿疹,皮膚炎,かぶれ,ただれ,にきび,肌あれ
「ただし,これらの症状について,1 カ月ほど使用しても改善がみられない場合は,医師又は薬剤師に相談すること。」
○次の場合のビタミン B2B6 の補給:肉体疲労時,妊娠・授乳期,病中病後の体力低下時

貯蔵方法及び有効期間

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
リボフラビン酪酸エステル(C33H44N4O10:656.73)0.40~0.49%,
ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl:205.64)2.00~2.44%,
パントテン酸カルシウム(C18H32CaN2O10:476.54)0.60~0.73%及び
ニコチン酸アミド(C6H6N2O:122.13)1.20~1.47%を含む。

性状

本品はだいだい黄色の粉末で,味はわずかに苦い。

確認試験

本品 0.5g にメタノール 5mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にリボフラビン酪酸エステル 2mg,ピリドキシン塩酸塩 0.01g,パントテン酸カルシウム 3mg 及びニコチン酸アミド 0.01g をそれぞれメタノール 5mL に溶かして標準溶液(1),標準溶液(2),標準溶液(3)及び標準溶液(4)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にアセトン・ヘキサン・メタノール・酢酸(100)混液(10:8:1:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(波長 254nm 及び 365nm)を照射するとき,試料溶液から得た 4 個のスポットは,標準溶液(1),標準溶液(2),標準溶液(3)及び標準溶液(4)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,この薄層板にニンヒドリンのエタノール(95)溶液(1→200)を均等に噴霧した後,160℃で 5 分間加熱するとき,標準溶液(3)から得たスポット及びこれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは紫色を呈する。

定量法

(1) 本品 0.5g を精密に量り,メタノール 30mL を加えて 10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて正確に 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用リボフラビン酪酸エステル 0.01g を精密に量り,メタノールに溶かして正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,移動相を加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するリボフラビン酪酸エステルのピーク面積の比 QT及び QS を求める。

リボフラビン酪酸エステル(C33H44N4O10)の量(mg)
=定量用リボフラビン酪酸エステルの量(mg)×QT/QS × 1/5

内標準溶液 フタル酸ジ n‐アミルのメタノール溶液(1→300)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・水混液(4:1)
流量:リボフラビン酪酸エステルの保持時間が約 5 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,リボフラビン酪酸エステル,フタル酸ジ n‐アミルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(2) 本品約 0.1g を精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→10)30mL を加えて 10 分間振り混ぜ,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたアセトニトリル(1→10)を加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。
別にピリドキシン塩酸塩標準品約 0.02g,ニコチン酸アミド標準品約 0.01g をそれぞれ精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→10)を加えて溶かし,正確に 50mL とする。この液5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,薄めたアセトニトリル(1→10)を加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するピリドキシン塩酸塩及びニコチン酸アミドのピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。

ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の量(mg)
=ピリドキシン塩酸塩標準品の量(mg)×QTa/QSa × 1/10

ニコチン酸アミド(C6H6N2O)の量(mg)
=ニコチン酸アミド標準品の量(mg)×QTb/Qsb × 1/10

内標準溶液 パラオキシ安息香酸の薄めたアセトニトリル(1→10)溶液(1→5000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1‐ヘプタンスルホン酸ナトリウム 1g 及びリン酸二水素カリウム 6.8g を水 1000mL に溶かし,リン酸を加えて pH2.5 に調整する。この液 900mLにアセトニトリル 100mL を加える。
流量:ニコチン酸アミドの保持時間が約 4 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ニコチン酸アミド,ピリドキシン塩酸塩,パラオキシ安息香酸の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(3) 本品約 1.5g を精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→20)30mL を加えて 10 分間振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたアセトニトリル(1→20)を加えて 50mL とし,ろ過する。初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用パントテン酸カルシウム約 0.01g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,薄めたアセトニトリル(1→20)を加えて溶かして 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するパントテン酸カルシウムのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

パントテン酸カルシウムの量(mg)
=定量用パントテン酸カルシウムの量(mg)×QT/QS

内標準溶液 ニコチン酸の薄めたアセトニトリル(1→20)溶液(1→6000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1‐オクタンスルホン酸ナトリウム 1.1g 及びリン酸二水素カリウム 6.8gを水 1000mL に溶かし,リン酸を加えて pH3 に調整する。この液 950mLにアセトニトリル 50mL を加える。
流量:パントテン酸カルシウムの保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ニコチン酸,パントテン酸カルシウムの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

備考

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方リボフラビン酪酸エステル0.02g
日本薬局方ピリドキシン塩酸塩0.1g30.33.03
日本薬局方パントテン酸カルシウム0.03g7.50.23
日本薬局方ニコチン酸アミド0.06g
賦形剤日本薬局方デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物適量0.753.22
全量4.5g6.47

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