【 139 】 外皮用薬 50―①【ヨード・サリチル酸・フェノール精A】

外皮用薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方ヨードチンキ20.0ml
日本薬局方サリチル酸5.0g
日本薬局方液状フェノール2.2ml
日本薬局方安息香酸8.0g
溶剤日本薬局方消毒用エタノール適量
全量100ml
外皮用薬 50―①
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製造方法

以上をとり,酒精剤の製法により製する。ただし,「エタノール」及び「精製水又は精製水(容器入り)」適量を用いて製することができる。

用法及び用量

適宜,患部に塗布する。

効能又は効果

みずむし,いんきんたむし,ぜにたむし

貯蔵方法及び有効期間

遮光した気密容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
ヨウ素(I:126.90)1.08~1.32%,
ヨウ化カリウム(KI:166.00)0.72~0.88%,
サリチル酸(C7H6O3:138.12)4.5~5.5%,
フェノール(C6H6O:94.11)1.8~2.2%及び
安息香酸(C7H6O2:122.12)7.2~8.8%を含む。

性状

本品は暗赤褐色の液で,フェノールのにおいがある。

確認試験

(1) 本品 1 滴をデンプン試液 1mL 及び水 9mL の混液に加えるとき,暗青紫色を呈する(ヨウ素)。

(2) 本品 1mL にエタノール(95)5mL 及び水を加えて 50mL とする。この液 1mL にpH2.0 の塩酸・塩化カリウム緩衝液を加えて 50mL とする。この液 15mL に硝酸鉄(Ⅲ)九水和物溶液(1→200)5mL を加えるとき,液は赤紫色を呈する(サリチル酸)。

(3) 本品 1mL にチオ硫酸ナトリウム試液 1mL を加えて振り混ぜ,水 20mL 及び希塩酸 5mL を加え,ジエチルエーテル 25mL で抽出する。ジエチルエーテル抽出液を炭酸水素ナトリウム試液 25mL ずつで 2 回洗った後,希水酸化ナトリウム試液 10mL で抽出する。
抽出液 1mL に亜硝酸ナトリウム試液 1mL 及び希塩酸 1mL を加えて振り混ぜ,更に水酸化ナトリウム試液 3mL を加えるとき,液は黄色を呈する(フェノール)。

(4) 本品 1mL にチオ硫酸ナトリウム試液 1mL を加えて振り混ぜ,更に水 20mL 及び希塩酸 5mL を加え,ジエチルエーテル 10mL で抽出し,試料溶液とする。別にサリチル酸25mg,フェノール 0.01g 及び安息香酸 0.04g をそれぞれジエチルエーテル 5mL に溶かし,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・アセトン・酢酸(100)混液(45:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 3 個のスポットの Rf 値は,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たそれぞれのスポットの Rf 値に等しい。また,この薄層板に塩化鉄(Ⅲ)試液を均等に噴霧するとき,標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは,紫色を呈する。

定量法

(1) ヨウ素本品 4mL を正確に量り,エタノール(95)を加えて正確に 50mLとし,試料溶液とする。別に定量用ヨウ素約 1.2g 及び 105℃で 4 時間乾燥した定量用ヨウ化カリウム約 0.8g をそれぞれ精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に 100mL とする。この液 4mL を正確に量り,エタノール(95)を加えて正確に 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 3mL ずつを正確に量り,それぞれにクロロホルム・ヘキサン混液(2:1)25mL を正確に加えて振り混ぜ,更に水 10mL を正確に加えて振り混ぜた後,クロロホルム・ヘキサン層を分取し,〔水層は(2)に用いる〕,脱脂綿でろ過する。ろ液につき,クロロホルム・ヘキサン混液(2:1)を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たそれぞれの液の波長 512nm における吸光度AT及び AS を測定する。

ヨウ素(I)の量(mg)=WS×(AT/AS)×(1/25)

WS:定量用ヨウ素の秤取量(mg)

(2) ヨウ化カリウム (1)の試料溶液及び標準溶液から得た水層 8mL ずつを正確に量り,それぞれに薄めた希塩酸(1→2)1mL 及び亜硝酸ナトリウム試液 1mL を加えて振り混ぜ,直ちにクロロホルム・ヘキサン混液(2:1)10mL を正確に加えて振り混ぜ,更に水 10mL を正確に加えて振り混ぜた後,以下(1)と同様に操作する。

ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)=WS×(AT/AS)×(1/25)

WS:定量用ヨウ化カリウムの秤取量(mg)

(3) サリチル酸,フェノール及び安息香酸 本品 2mL を正確に量り,薄めたメタノール(1→2)20mL を加える。この液に 0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム液をヨウ素の色が消えるまで加えた後,内標準溶液 20mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→2)を加えて 200mL とし,試料溶液とする。別にデシケーター(シリカゲル)で 3 時間乾燥した定量用サリチル酸約 0.2g,定量用フェノール約 80mg 及びデシケーター(シリカゲル)で 3 時間乾燥した安息香酸約 0.32g をそれぞれ精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に溶かし,正確に 50mL とする。この液 25mL を正確に量り,内標準溶液 20mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→2)を加えて 200mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液3μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液の内標準物質のピーク面積に対するサリチル酸,フェノール及び安息香酸のピーク面積の比 QTa,QTb及び QTc 並びに標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するサリチル酸,フェノール及び安息香酸のピーク面積の比 QSa,QSb 及び QScを求める。

サリチル酸(C7H6O3)の量(mg)=WSa×(QTa/QSa)×(1/2)
フェノール(C6H6O)の量(mg)=WSb×(QTb/QSb)×(1/2)
安息香酸(C7H6O2)の量(mg)=WSc×(QTc/QSc)×(1/2)

WSa:定量用サリチル酸の秤取量(mg)
WSb:定量用フェノールの秤取量(mg)
WSc:安息香酸の秤取量(mg)

内標準溶液 テオフィリンのメタノール溶液(1→1000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 25~30cm のステンレス管に 5μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:室温
移動相:pH7.0 の 0.1mol/L リン酸塩緩衝液・メタノール混液(3:1)
流量:サリチル酸の保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:安息香酸 0.2g,サリチル酸 0.2g 及びテオフィリン 0.05g を薄めたメタノール(1→2)100mL に溶かす。この液 10mL に薄めたメタノール(1→2)90mL を加える。この液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,安息香酸,サリチル酸,テオフィリンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

備考

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方ヨードチンキ20.0ml1.2925.80
日本薬局方サリチル酸5.0g2.3811.90
日本薬局方液状フェノール2.2ml1.152.53
日本薬局方安息香酸8.0g1.6813.44
溶剤日本薬局方消毒用エタノール適量1.65128.37
全量100ml182.04

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