【 125 】 外皮用薬 36―①【ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン軟膏】

外皮用薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方ヒドロコルチゾン酢酸エステル0.5g
日本薬局方ジフェンヒドラミン5.0g
基剤日本薬局方白色ワセリン適量
全量100g
外皮用薬 36―①
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製造方法

以上をとり,軟膏剤の製法により製する。

用法及び用量

適宜,患部に塗布する。

効能又は効果

湿疹・皮膚炎,じんましん,ただれ,あせも,かぶれ,かゆみ,しもやけ,虫さされ

貯蔵方法及び有効期間

遮光した気密容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C22H32:404.50)0.45~0.55%及び
ジフェンヒドラミン(C12H21NO:255.36)0.45~0.55%を含む。

性状

本品は白色~微黄色である。

確認試験

(1) 本品 1g にエタノール(95)10mL を加え,時々振り混ぜながら水浴上で 5 分間加熱する。冷後,ろ過し,ろ液 5mL をとり,エタノール(95)を留去した後,残留物に硫酸 2mL を加えるとき,液は初め黄緑色の蛍光を発し,徐々に黄色を経て黄褐色に変わる。この液に注意して水 10mL を加えるとき,液は黄色に変わり,緑色の蛍光を発し,淡黄色の浮遊物を生じる(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)。

(2) (1)のろ液 1mL に pH4.6 のフタル酸水素カリウム緩衝液 5mL 及びブロモフェノールブルー試液 2mL を加え,更にクロロホルム 5mL を加えてよく振り混ぜた後,静置するとき,クロロホルム層は黄色を呈する(ジフェンヒドラミン)。

(3) 本品 1g にメタノール 5mL を加えて加温し,振り混ぜ,冷後,メタノール層を分取し,試料溶液とする。別にヒドロコルチゾン酢酸エステル及びジフェンヒドラミン 0.01gずつをそれぞれメタノール 10mL に溶かし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(混合蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・ジエチルエーテル混液(4:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(広域波長)を照射するとき,試料溶液から得た 2 個のスポットの Rf 値は,標準溶液(1)及び標準溶液(2)から得たそれぞれのスポットの Rf 値に等しい。

定量法

(1) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別にヒドロコルチゾン酢酸エステル標準品約 0.02g を精密に量り,メタノールに溶かして正確に 20mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,テトラヒドロフラン 30mL を加え,更にメタノールを加えて溶かし 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾン酢酸エステルのピーク面積の比 QT及び QS を求める。

ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6)の量(mg)
=ヒドロコルチゾン酢酸エステル標準品の量(mg)×QT/QS × 1/4

内標準溶液 パラオキシ安息香酸エチルのメタノール溶液(1→1250)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・水混液(55:45)
流量:ヒドロコルチゾン酢酸エステルの保持時間が約 8 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸エチル,ヒドロコルチゾン酢酸エステルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(2) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加え,振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用ジフェンヒドラミン約0.025g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 50mL とする。この液 10mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,テトラヒドロフラン 30mL を加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するジフェンヒドラミンのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

ジフェンヒドラミン(C17H21NO)の量(mg)
=定量用ジフェンヒドラミンの量(mg)×QT/QS × 1/5

内標準溶液 パラオキシ安息香酸ヘプチルのメタノール溶液(1→450)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 5g を薄めたリン酸(1→1000)に溶かして1000mL とする。この液 350mL にアセトニトリル 650mL を加える。
流量:ジフェンヒドラミンの保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ジフェンヒドラミン,パラオキシ安息香酸ヘプチルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

備考

ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン軟膏

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方ヒドロコルチゾン酢酸エステル0.5g
日本薬局方ジフェンヒドラミン5.0g
基剤日本薬局方白色ワセリン適量2.09197.51
全量100g197.51

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