成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 1.0g | |
日本薬局方 | l‐メントール | 2.0g | |
日本薬局方 | dl‐カンフル | 2.0g | |
日本薬局方 | ジブカイン塩酸塩 | 0.3g | |
湿潤剤 | 日本薬局方 | グリセリン | 10.0ml |
溶剤 | 日本薬局方 | 消毒用エタノール | 適量 |
全量 | 100ml |
製造方法
以上をとり,外用液剤の製法により製する。
用法及び用量
1 日数回,適宜患部に塗擦する。
効能又は効果
虫さされ,かゆみ
貯蔵方法及び有効期間
気密容器
規格及び試験方法
本品は定量するとき,
ジフェンヒドラミン塩酸塩(C17H21NO・HCl:291.82)0.9~1.1%,
l‐メントール(C10H20O:156.27)1.8~2.2%,
dl‐カンフル(C10H16O:152.24)1.8~2.2%及び
ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl:379.93)0.27~0.33%を含む。
性状
本品は無色澄明の液で,ハッカのにおいがある。
確認試験
(1) 本品 3mL に水 5mL を加え,石油エーテル 10mL で抽出する。石油エーテル抽出液を蒸発乾固し,残留物にエタノール(95)10mL を加えた後,硫酸 3mL を加えて振り混ぜるとき,液は黄赤色を呈する(メントール)。
(2) 本品 2mL に 2,4‐ジニトロフェニルヒドラジン試液 1mL を加えた後,水浴上で 5分間加熱するとき,だいだい赤色の沈殿を生じる(カンフル)。
(3) 本品 1mL にメタノール 5mL を加えて試料溶液とする。別にジフェンヒドラミン塩酸塩 10mg 及びジブカイン塩酸塩 3mg をそれぞれメタノール 5mL に溶かし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール(99.5)・アンモニア水(28)混液(50:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。
これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 2 個のスポットは標準溶液(1)及び標準溶液(2)から得たスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,この薄層板に噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,黄赤色を呈する。
定量法
(1)本品 2mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,アセトンを加えて 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用 dl‐カンフル及び定量用 l‐メントールをそれぞれ約 0.04g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,アセトンを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 3μL につき,次の条件でガスクロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する dl‐カンフル及び l‐メントールのピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。
dl‐カンフル(C10H16O)の量(mg)
=定量用 dl‐カンフルの量(mg)×QTa/QSa
l‐メントール(C10H20O)の量(mg)
=定量用 l‐メントールの量(mg)×QTb/Qsb
内標準溶液 安息香酸エチルのアセトン溶液(1→100)
操作条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径約 3mm,長さ約 3m のガラス管に,ガスクロマトグラフ法ポリエチレングリコール20Mをシラン処理した180~250μmのガスクロマトグラフ用ケイソウ土に 10%の割合で被覆したものを充てんする。
カラム温度:150℃付近の一定温度
キャリヤーガス:窒素
流量:カンフルの保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 3μL につき,上記の条件で操作するとき,dl‐カンフル,l‐メントール,安息香酸エチルの順に流出し,完全に分離するものを用いる。
(2) 本品 1mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,メタノールを加えて 50mLとし試料溶液とする。別に定量用ジフェンヒドラミン塩酸塩約 0.1g 及び定量用ジブカイン塩酸塩約 0.03g を精密に量り,メタノールに溶かして正確に 50mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,メタノールを加えて 50mL とし標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するジフェンヒドラミン塩酸塩及びジブカイン塩酸塩のピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。
ジフェンヒドラミン塩酸塩(C17H21NO・HCl)の量(mg)
=定量用ジフェンヒドラミン塩酸塩の量(mg)×QTa/QSa × 1/10
ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl)の量(mg)
=定量用ジブカイン塩酸塩の量(mg)×QTb/Qsb × 1/10
内標準溶液 パラオキシ安息香酸ヘプチルのメタノール溶液(1→600)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 5g を薄めたリン酸(1→1000)に溶かして1000mL とする。この液 250mL にメタノール 750mL を加える。
流量:ジフェンヒドラミン塩酸塩の保持時間が約 6 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,ジフェンヒドラミン塩酸塩,パラオキシ安息香酸ヘプチル,ジブカイン塩酸塩の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 1.0g | ー | ー | |
日本薬局方 | l‐メントール | 2.0g | 16.9 | 33.80 | |
日本薬局方 | dl‐カンフル | 2.0g | 7.3 | 14.60 | |
日本薬局方 | ジブカイン塩酸塩 | 0.3g | 377.2 | 113.16 | |
湿潤剤 | 日本薬局方 | グリセリン | 10.0ml | 0.87 | 8.70 |
溶剤 | 日本薬局方 | 消毒用エタノール | 適量 | 1.65 | 148.50 |
全量 | 100ml | 318.76 |
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