成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | |
局外規 | クロタミトン | 5.0g | |
基剤 | 薬添規 | ゲル化炭化水素 | 50g |
基剤 | 日本薬局方 | 白色ワセリン | 適量 |
全量 | 100g |
製造方法
以上をとり,軟膏剤の製法により製する。
用法及び用量
適宜,患部に塗布する。
効能又は効果
湿疹・皮膚炎,ただれ,かぶれ
貯蔵方法及び有効期間
気密容器
規格及び試験方法
本品は定量するとき,
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6:404.50)0.45~0.55%及び
クロタミトン(C13H17NO:203.28)4.5~5.5%を含む。
性状
本品は白色である。
確認試験
(1) 本品 2g にジエチルエーテル 10mL を加えてよくかき混ぜた後,ろ過する。残留物にクロロホルム 20mL を加えてよくかき混ぜた後,ろ過し,水浴上でクロロホルムを留去する。残留物の半量をとり,硫酸 2mL を加えるとき,初めに帯黄緑色の蛍光を発し,徐々にだいだい色を経て暗赤色に変わる。この液に水 10mL を加えるとき,液は黄色からだいだい黄色に変わり,緑色の蛍光を発する(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)。
(2) (1)で得た残留物半量にメタノール 1mL を加え,加温して振り混ぜた後,ろ過し,ろ液にフェーリング試液 1mL を加えて加熱するとき,だいだい色~赤色の沈殿を生じる(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)。
(3) 本品 0.5g にテトラヒドロフラン 5mL を加えてかき混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にクロタミトン 0.02g をメタノール 4mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 3μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール(99.5)・アンモニア水(28)混液(50:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得たスポットは標準溶液から得たスポットと色調及び Rf 値が等しい。
定量法
(1) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて正確に 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステル約 0.01g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて 20mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾン酢酸エステルのピーク面積の比 QT及び QS を求める。
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6)の量(mg)
=定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステルの量(mg)×(QT/QS)×(1/2)
内標準溶液 フタル酸ジメチルのメタノール溶液(1→10000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→1000)・アセトニトリル混液(65:35)
流量:ヒドロコルチゾン酢酸エステルの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,フタル酸ジメチル,ヒドロコルチゾン酢酸エステルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
(2) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて正確に 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用クロタミトン約 0.05g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 50mLとする。この液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に 25mL とする。この液 5mLを正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するクロタミトンのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。
クロタミトン(C13H17NO)の量(mg)
=定量用クロタミトンの量(mg)×(QT/QS)
内標準溶液 p‐トルイル酸エチルのメタノール溶液(1→7500)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・水混液(6:4)
流量:クロタミトンの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,トルイル酸エチル,クロタミトンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | ー | ー | |
局外規 | クロタミトン | 5.0g | ー | ー | |
基剤 | 薬添規 | ゲル化炭化水素 | 50g | ー | ー |
基剤 | 日本薬局方 | 白色ワセリン | 適量 | 2.09 | 93.01 |
全量 | 100g | 93.01 |
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