【 89 】 外用痔疾用薬 3【ヘモ軟膏1号】

外用痔疾用薬
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成分及び分量又は本質

規格成分名称分量
日本薬局方ジブカイン塩酸塩0.5g
日本薬局方ヒドロコルチゾン酢酸エステル0.5g
日本薬局方タンニン酸5.0g
日本薬局方トコフェロール酢酸エステル3.0g
局外規クロタミトン5.0g
基材薬添規ゲル化炭化水素適量
全量100g
外用痔疾用薬 3
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製造方法

以上をとり,軟膏剤の製法により製する。

用法及び用量

1 日 1~3 回,適量を患部に塗布するか,ガーゼ又はリント布などにのばして貼付する。

効能又は効果

きれ痔・いぼ痔の痛み,かゆみ,はれ,出血,ただれの緩和

貯蔵方法及び有効期間

密閉容器

規格及び試験方法

本品は定量するとき,
ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl:379.93)0.45~0.55%,
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6:404.50)0.45~0.55%,
クロタミトン(C13H17NO:203.28)4.5~5.5%,
トコフェロール酢酸エステル(C31H52O3:472.75)2.7~3.3%を含む。

性状

本品は褐色の軟膏剤である。

確認試験

(1) 本品 0.5g にテトラヒドロフラン 5mL を加えてかき混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にジブカイン塩酸塩 2mg をメタノール 4mL に溶かし,標準溶液(1)とする。クロタミトン 0.02g をメタノール 4mL に溶かし,標準溶液(2)とする。
トコフェロール酢酸エステル 0.015g をエタノール(99.5)5mL に溶かし,標準溶液(3)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 3μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール(99.5)・アンモニア水(28)混液(50:5:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 3 個のスポットは標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,紫外線(主波長 365nm)を照射するとき,標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは青色の蛍光を発する。

(2) (1)の試料溶液を試料溶液とする。別にヒドロコルチゾン酢酸エステル 2mg をメタノール 4mL に溶かし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 2μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にジクロルメタン・ジエチルエーテル・メタノール・水混液(160:30:8:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得たスポットは標準溶液から得たスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,この薄層板にアルカリ性ブルーテトラゾリウム試液を均等に噴霧するとき,標準溶液から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは,紫色を呈する。

(3) (1)の試料溶液 1mL に塩化鉄(Ⅲ)試液 1 滴を加えるとき,液は青黒色を呈し,放置するとき,青黒色の沈殿を生じる(タンニン酸)。

定量法

(1) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,内標準溶液 3mL を正確に加え,更にメタノールを加えて25mL とし,試料溶液とする。別に定量用ジブカイン塩酸塩約 0.02g を精密に量り,メタノールを加えて,正確に 20mL とする。この液 2mL を正確に量り,メタノールに溶かし,正確に 20mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 3mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 25mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するジブカイン塩酸塩のピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl)の量(mg)
=定量用ジブカイン塩酸塩の量(mg)×QT/QS × 1/4

内標準溶液 パラオキシ安息香酸ヘキシルのメタノール溶液(1→6000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 3g を薄めたリン酸(1→1000)に溶かして 1000mL とする。この液 270mL にメタノール 730mL を加える。
流量:ジブカイン塩酸塩の保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸ヘキシル,ジブカイン塩酸塩の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(2) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mLを正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステル約 0.01g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に20mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾン酢酸エステルのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6)の量(mg)
=定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステルの量(mg)×QT/QS × 1/2

内標準溶液 フタル酸ジメチルのメタノール溶液(1→10000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→1000)・アセトニトリル混液(65:35)
流量:ヒドロコルチゾン酢酸エステルの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,フタル酸ジメチル,ヒドロコルチゾン酢酸エステルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(3) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて正確に 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用クロタミトン約 0.05g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 50mLとする。この液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に 25mL とする。この液 5mLを正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するクロタミトンのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。

クロタミトン(C13H17NO)の量(mg)
=定量用クロタミトンの量(mg)×QT/QS

内標準溶液 p‐トルイル酸エチルのメタノール溶液(1→7500)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・水混液(6:4)
流量:クロタミトンの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,トルイル酸エチル,クロタミトンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

 

(4) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて正確に 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にメタノールを加えて 25mLとし,試料溶液とする。別にトコフェロール酢酸エステル標準品約 0.03g を精密に量り,メタノールに溶かして正確に 50mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加えた後,メタノールを加えて 25mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するトコフェロール酢酸エステルのピーク面積の比 QT 及び QS を求める。

トコフェロール酢酸エステル(C31H52O3)の量(mg)
=トコフェロール酢酸エステル標準品の量(mg)×QT/QS

内標準溶液 ビタミン K1のメタノール溶液(1→5000)(遮光容器)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール
流量:トコフェロール酢酸エステルの保持時間が約 7 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,トコフェロール酢酸エステル,ビタミン K1 の順に溶出し,それぞれピークが完全に分離するものを用いる。

備考

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方ジブカイン塩酸塩0.5g377.2188.60
日本薬局方ヒドロコルチゾン酢酸エステル0.5g
日本薬局方タンニン酸5.0g
日本薬局方トコフェロール酢酸エステル3.0g
局外規クロタミトン5.0g
基材薬添規ゲル化炭化水素適量
全量100g188.60

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