【 340 】 K140【通導散料】

漢方薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方トウキ3.0g
日本薬局方ダイオウ3.0g
日本薬局方乾燥硫酸ナトリウム1.7g
日本薬局方キジツ3.0g
日本薬局方コウボク2.0g
日本薬局方チンピ2.0g
日本薬局方モクツウ2.0g
日本薬局方コウカ2.0g
日本薬局方カンゾウ2.0g
日本薬局方ソボク2.0g
全量22.7g
K140
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製造方法

以上の切断又は破砕した生薬をとり,1 包として製する。

用法及び用量

本品 1 包に水約 500mL を加えて,半量ぐらいまで煎じつめ,煎じかすを除き,煎液を 3 回に分けて食間に服用する。上記は大人の 1 日量である。
15 才未満 7 才以上 大人の 2/3,
7 才未満 4 才以上 大人の 1/2,
4 才未満 2 才以上 大人の 1/3,
2 才未満 大人の 1/4 以下を服用する。

効能又は効果

体力中等度以上で,下腹部に圧痛があって便秘しがちなものの次の諸症:月経不順,月経痛,更年期障害,腰痛,便秘,打ち身(打撲),高血圧の随伴症状(頭痛,めまい,肩こり)

貯蔵方法及び有効期間

密閉容器

規格及び試験方法

性状

本品は特異なにおいがある。

確認試験

本品 1 包を白紙上に広げ,各生薬を外観的に選別し,それぞれの生薬につき,次の試験を行う。

(1) トウキ
外面は暗褐色~赤褐色で,縦じわがあり,切断面は淡黄色~黄褐色を呈する。特異なにおいがあり,味はわずかに甘く,後にやや辛い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は 4~10 層からなり,その内側に数層の厚角組織が続いている。皮部には分泌細胞に囲まれた多数の樹脂道並びにしばしば大きなすき間がある。
形成層は長方形に偏圧された数層の細胞からなり,明らかに皮部と木部とを区別する。木部では多数の道管と放射組織とが交互に放射状に配列し,その外方の道管は単独又は数個集まってやや密に配列してくさび状をなすが,中心部付近の道管は極めてまばらに存在する。でんぷん粒は径 19μm 以下,まれに 2~5 個の複粒があり,複粒の径は 25μm に達し,しばしばのり化している。

(2) ダイオウ
暗褐色~黄褐色~淡褐色を呈し,ルーペ視すると入り組んだ不規則な模様がある。質はおおむね粗で繊維性ではない。特異なにおいがあり,味はわずかに渋くて苦い。かめば細かい砂をかむような感じがあり,だ液を黄色に染める。
また,「ダイオウ」の確認試験を準用する。

(3) 乾燥硫酸ナトリウム
白色の粉末で,味はやや苦く,塩辛い。
また,別紙規格「乾燥硫酸ナトリウム」の確認試験を準用する。

(4) キジツ
外面は濃緑褐色~褐色で,つやがなく,油室による多数のくぼんだ細点がある。切断面は淡灰褐色を呈し,内果皮を付ける部分は褐色を呈する。特異なにおいがあり,味は苦い。
また,「キジツ」の確認試験を準用する。

(5) コウボク
外面は灰白色~灰褐色を呈し,内面は淡褐色~暗紫褐色,切断面は淡赤褐色を呈し,繊維性である。わずかに芳香があり,味は苦い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は厚く,ほぼ等径性の石細胞が環状に内接する。一次皮部は狭く,内しょう部には繊維群が点在し,二次皮部の放射組織間には師部繊維群が階段状に並ぶ。油細胞の多数は一次皮部に,少数は二次皮部に散在し,狭い放射組織内にも認められることがある。
また,「コウボク」の確認試験を準用する。

(6) チンピ
外面は黄赤色~暗黄褐色で,油室による多数の小さいくぼみがあり,内面は白色~淡灰黄褐色である。厚さ約 2mm で,質は軽くてもろい。芳香があり,味は苦くて,わずかに刺激性である。
また,「チンピ」の確認試験を準用する。

(7) モクツウ
外側のコルク層は灰褐色で,円形又は横に長いだ円形の皮目がある。
皮部は暗灰褐色を呈し,木部は淡褐色で,灰白色の放射組織と交互に配列する。髄は淡灰黄色で,明らかである。味はわずかにえぐい。
横切片を鏡検するとき,師部の外辺を囲む弧状の輪層は主として結晶細胞列をなす繊維束と石細胞群とからなり,皮部の放射組織は単晶を含む厚膜細胞からなる。形成層は明らかで,束外では著しく内方に湾入している。髄周辺の細胞は,はなはだ厚膜で,しばしば単晶を含んでいる。でんぷん粒の大きさは 8mm 以下である。
また,「モクツウ」の確認試験を準用する。

(8) コウカ
赤色~赤褐色の花冠,花柄,黄色の花柱及び雄しべからなり,全長は約1cm,花冠は筒状で 5 裂し,雄しべは 5 本で,長い柱頭をもつ雌しべを囲んでいる。花粉はほぼ球形で,径約 50μm,黄色で表面に細かい突起がある。特異なにおいがあり,味はわずかに苦い。
また,「コウカ」の確認試験を準用する。

(9) カンゾウ
外面(周皮)は暗褐色~赤褐色で縦じわがあり,切断面は淡黄色で繊維質を呈する。横断面では,皮部と木部の境界はほぼ明らかで,放射状の構造を現わす。
味は甘い。
横切片を鏡検するとき,皮付きカンゾウでは黄褐色の多層のコルク層とその内層に 1~3細胞層のコルク皮層がある。皮部には放射組織が退廃師部と交互に放射状に配列し,師部には結晶細胞列で囲まれた厚膜で木化不十分な師部繊維群がある。木部には 3~10 細胞列の放射組織が黄色で巨大な道管と交互に放射状に配列し,道管は結晶細胞列で囲まれた木部繊維及び木部柔細胞を伴い,ストロンに基づくものでは柔細胞性の髄がある。柔細胞中にはでんぷん粒を含み,またしばしばシュウ酸カルシウムの単晶を含む。皮去りカンゾウでは周皮及び師部の一部を欠いている。

(10) ソボク
切片,削片又は短い木片で,黄赤色~灰黄褐色を呈し,ときには淡褐色~灰白色の辺材を付けることがある。質は堅い。横断面には年輪様の紋様がある。におい及び味がほとんどない。
横切片を鏡検するとき,1~2 列の細長い細胞からなる放射組織がある。放射組織間は繊維細胞からなり,楕円形で大きな道管が散在する。木部の最も内側の柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が認められる。
また,「ソボク」の確認試験を準用する。

乾燥減量

10%以下。

灰分

15%以下。

乾燥硫酸ナトリウムの規格及び試験方法

本品を乾燥したものは定量するとき,硫酸ナトリウム(Na2SO4)99.0%以上を含む。

性状

本品は白色の粉末で,味はやや苦く,塩辛い。
本品は水に溶けやすく,エタノール(95)にほとんど溶けない。

確認試験

本品の水溶液(1→20)はナトリウム塩及び硫酸塩の定性反応を呈する。

純度試験

(1) 溶状及び液性 本品 0.5g に新たに煮沸し冷却した水 5mL を加えて溶かすとき,液は無色澄明で,中性である。
(2) 塩化物 本品 0.5g をとり,試験を行う。比較液には 0.01mol/L 塩酸 0.50mL を加える(0.036%以下)。
(3) 重金属 本品 2.0g をとり,第 1 法により操作し,試験を行う。比較液には鉛標準液 2.0mL を加える(10ppm 以下)。
(4) ヒ素 本品 1.0g をとり,第 1 法により操作し,試験を行う(2ppm 以下)。

乾燥減量

11.4%以下(2g,105℃,4 時間)。

定量法

本品を乾燥し,その約 0.4g を精密に量り,水 200mL を加えて溶かし,塩酸 1mLを加えて煮沸し,熱時塩化バリウム試液 8mL を徐々に加える。この液を水浴上で 1 時間加熱したのち,冷後,沈殿をろ取し,洗液に硝酸銀試液を加えても混濁を生じなくなるまで水で洗い,乾燥し,恒量になるまで強熱し,重量を量り,硫酸バリウム(BaSO4:233.40)の量とする。
硫酸ナトリウム(Na2SO4)の量(mg)
=硫酸バリウム(BaSO4)の量(mg)×0.6086

備考

通導散料

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方トウキ3.0g3.079.21
日本薬局方ダイオウ3.0g26.00
日本薬局方乾燥硫酸ナトリウム1.7g
日本薬局方キジツ3.0g1.273.81
日本薬局方コウボク2.0g12.00
日本薬局方チンピ2.0g1.172.34
日本薬局方モクツウ2.0g1.422.84
日本薬局方コウカ2.0g4.939.86
日本薬局方カンゾウ2.0g2.134.26
日本薬局方ソボク2.0g2.915.82
全量22.7g46.14

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