【 227 】 K35【芎帰調血飲第一加減】

漢方薬
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成分及び分量または本質

規格成分名称分量
日本薬局方トウキ2.0g
日本薬局方ジオウ2.0g
日本薬局方ブクリョウ2.0g
日本薬局方ウヤク2.0g
日本薬局方ボタンピ2.0g
日本薬局方タイソウ1.5g
日本薬局方ショウキョウ1.0g
日本薬局方センキュウ2.0g
日本薬局方ビャクジュツ2.0g
日本薬局方チンピ2.0g
日本薬局方コウブシ2.0g
日本薬局方ヤクモソウ1.5g
日本薬局方カンゾウ1.0g
日本薬局方トウニン1.5g
日本薬局方コウカ1.5g
日本薬局方キジツ1.5g
日本薬局方ケイヒ1.5g
日本薬局方ゴシツ1.5g
日本薬局方モッコウ1.5g
日本薬局方エンゴサク1.5g
日本薬局方シャクヤク1.5g
日本薬局方全量35.0g
K35
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製造方法

以上の切断又は破砕した生薬をとり,1 包として製する。

用法及び用量

本品 1 包に水約 500mL を加えて,半量ぐらいまで煎じつめ,煎じかすを除き,煎液を 3 回に分けて食間に服用する。上記は大人の 1 日量である。
15 才未満 7 才以上 大人の 2/3,
7 才未満 4 才以上 大人の 1/2,
4 才未満 2 才以上 大人の 1/3,
2 才未満 大人の 1/4 以下を服用する。

効能又は効果

体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。:血の道症,月経不順,産後の体力低下

貯蔵方法及び有効期間

密閉容器

規格及び試験方法

性状

本品は特異なにおいがある。

確認試験

本品 1 包を白紙上に広げ,各生薬を外観的に選別し,それぞれの生薬につき,次の試験を行う。

(1) トウキ
外面は暗褐色~赤褐色で,縦じわがあり,切断面は淡黄色~黄褐色を呈する。特異なにおいがあり,味はわずかに甘く,後にやや辛い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は 4~10 層からなり,その内側に数層の厚角組織が続いている。皮部には分泌細胞に囲まれた多数の樹脂道並びにしばしば大きなすき間がある。
形成層は長方形に偏圧された数層の細胞からなり,明らかに皮部と木部とを区別する。木部では多数の道管と放射組織とが交互に放射状に配列し,その外方の道管は単独又は数個集まってやや密に配列してくさび状をなすが,中心部付近の道管は極めてまばらに存在する。でんぷん粒は径 19μm 以下,まれに 2~5 個の複粒があり,複粒の径は 25μm に達し,しばしばのり化している。

(2) ジオウ
外面は黄褐色~黒褐色を呈し,深い縦みぞ及びくびれがある。質は柔らかく粘性である。横断面は黄褐色~黒褐色で,皮部は木部より色が濃く,ほとんど髄を認めない。特異なにおいがあり,味は初めわずかに甘く,後にやや苦い。
横切片を鏡検するとき,コルク層は 7~15 層で,皮部はすべて柔細胞からなり,外皮部に褐色の分泌物を含む細胞が散在する。木部はほとんど柔細胞で満たされ,放射状に並ぶ道管は側孔のある網紋があり,弱い木化反応を呈する。

(3) ブクリョウ
白色又はわずかに淡赤色を帯びた白色である。外層が残存するものは暗褐色~暗赤褐色で,きめがあらく,裂け目がある。質は堅いが砕きやすい。ほとんどにおいがなく,味はないがやや粘液ようである。
また,「ブクリョウ」の確認試験を準用する。

(4) ウヤク
紡錘形又はところどころくびれた連珠状を呈し,長さ 10~15cm,径 10~25mm である。外面は黄褐色~褐色を呈し,わずかに細根の跡がある。横断面の皮部は褐色,木部は淡黄褐色を呈し,褐色の同心性の輪及び放射状の線がある。質はち密で堅い。
樟脳様のにおいがあり,味は苦い。
横切片を鏡検するとき,周皮を残すものでは数層のコルク層がありコルク層の一部はコルク石細胞からなる。油細胞及び繊維を含む皮部柔組織が認められることがある。木部では道管及び木部繊維と,放射組織が交互に配列する。皮部及び木部の柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの砂晶及び柱状晶,径 1~15μm の単粒のでんぷん粒及び 2~4 粒からなる複粒のでんぷん粒を含む。
また,「ウヤク」の確認試験を準用する。

(5) ボタンピ
外面は暗褐色~帯紫褐色,内面は淡灰褐色~暗紫色を呈する。内面及び切断面にはしばしば白色の結晶を付着する。特異なにおいがあり,味はわずかに辛くて苦い。
また,「ボタンピ」の確認試験を準用する。

(6) タイソウ
外面は赤褐色であらいしわがあるか,又は暗灰赤色で細かいしわがあり,いずれもつやがある。外果皮は薄く革質で,中果皮は暗灰褐色を呈し,海綿ようで柔らかく粘着性があり,内果皮は極めて堅く,種子は偏平である。わずかに特異なにおいがあり,味は甘い。

(7) ショウキョウ
淡灰黄色の周皮を付けたままか,又はその一部をはぎとってあり,表面は灰白色~淡灰褐色で,しばしば白粉を付けている。横断面は繊維性,粉性で,淡帯黄褐色を呈し,皮層と中心柱とに分かれる。横断面をルーペ視するとき,その全面に維管束及び分泌物が褐色の細点として散在している。特異なにおいがあり,味は極めて辛い。

(8) センキュウ
外面は灰褐色~暗褐色で,切断面は灰白色~灰褐色,半透明で,ときにはうつろがある。質は密で堅い。特異なにおいがあり,味はわずかに苦い。
横切片を鏡検するとき,皮部及び髄には油道が散在する。木部には厚膜で木化した木部繊維が大小不同の群をなして存在する。でんぷん粒は,通例,のり化していて,まれに径 5~25μm のでんぷん粒を認めることがある。シュウ酸カルシウム結晶は認めない。

(9) ビャクジュツ
外面は淡灰黄色~淡黄白色で,ところどころ灰褐色を呈し,横切面には淡黄褐色~褐色の分泌物による細点がある。特異なにおいがあり,味はわずかに苦い。
横切片を鏡検するとき,皮部の柔組織中にはしばしば師管の外側に接して繊維束があり,放射組織の末端部には淡褐色~褐色の内容物を含む油室がある。木部には大きい髄を囲んで放射状に配列した短径の道管とそれを囲む著しい繊維束がある。髄及び放射組織中には皮部と同様な油室があり,柔組織中にはイヌリンの小球晶及びシュウ酸カルシウムの針晶を含む。
また,「ビャクジュツ」の確認試験を準用する。

(10) チンピ
外面は黄赤色~暗黄褐色で,油室による多数の小さいくぼみがあり,内面は白色~淡灰黄褐色である。厚さ約 2mm で,質は軽くてもろい。芳香があり,味は苦くて,わずかに刺激性である。
また,「チンピ」の確認試験を準用する。

(11) コウブシ
外面は灰褐色~灰黒褐色を呈し,不整な輪節があり,その部分に一方に向かって多数の毛がある。質は堅く,横断面は赤褐色~淡黄色を呈し,ろうようのつやを帯び,皮層部の厚さは中心柱の径とほぼ等しいか又はわずかに薄い。横断面をルーペ視するとき,外面は繊維束が褐色のはん点として輪状に並び,皮層部にはところどころに維管束が赤褐色のはん点として,また分泌細胞が黄褐色の微小なはん点として多数存在する。
中心柱には多数の維管束が点又は線として散在する。わずかに特異なにおい及び味がある。

(12) ヤクモソウ
茎,葉及び花からなり,通例,横切したもの。茎は方柱形で,径 0.2~3cm,黄緑色~緑褐色を呈し,白色の短毛を密生する。髄は白色で断面中央部の多くを占める。質は軽い。葉は対生し,有柄で 3 全裂~3 深裂し,裂片は羽状に裂け,終裂片は線状ひ針形で鋭頭,又は鋭尖頭,上面は淡緑色を呈し,下面は白色の短毛を密生し,灰緑色を呈する。花は輪生し,がくは筒状で上端は針状に 5 裂し,淡緑色~淡緑褐色,花冠は唇形で淡赤紫色~淡褐色を呈する。わずかににおいがあり,味はわずかに苦く,収れん性である。
茎の横切片を鏡検するとき,四稜を認め,Leonurus sibiricus Linné の稜は一部がこぶ状に突出する。表皮には,1~3 細胞からなる非腺毛,頭部が 1~4 細胞からなる腺毛及び 8細胞からなる腺りんが認められる。稜部では表皮下に厚角組織が発達し,木部繊維の発達が著しい。皮層は数層の柔細胞からなる。維管束は並立維管束で,ほぼ環状に配列する。
師部の外側には師部繊維を認める。皮層及び髄中の柔細胞にシュウ酸カルシウムの針晶又は板状晶が認められる。
また,「ヤクモソウ」の確認試験を準用する。

(13) カンゾウ
外面(周皮)は暗褐色~赤褐色で縦じわがあり,切断面は淡黄色で繊維質を呈する。横断面では,皮部と木部の境界はほぼ明らかで,放射状の構造を現わす。
味は甘い。
横切片を鏡検するとき,皮付きカンゾウでは黄褐色の多層のコルク層とその内層に 1~3細胞層のコルク皮層がある。皮部には放射組織が退廃師部と交互に放射状に配列し,師部には結晶細胞列で囲まれた厚膜で木化不十分な師部繊維群がある。木部には 3~10 細胞列の放射組織が黄色で巨大な道管と交互に放射状に配列し,道管は結晶細胞列で囲まれた木部繊維及び木部柔細胞を伴い,ストロンに基づくものでは柔細胞性の髄がある。柔細胞中にはでんぷん粒を含み,またしばしばシュウ酸カルシウムの単晶を含む。皮去りカンゾウでは周皮及び師部の一部を欠いている。

(14) トウニン
種皮は薄く,外面は赤褐色を帯び,表面にはすれて落ちやすい石細胞となった表皮細胞があって,粉をふいたようである。切断面は類白色である。味はわずかに苦く,油ようである。
表皮の表面を鏡検するとき,数個ずつ集合する石細胞はおおむね円形で,その細胞膜は均等に厚く,側面視では方形又は長方形を呈する。
また,「トウニン」の確認試験を準用する。

(15) コウカ
赤色~赤褐色の花冠,花柄,黄色の花柱及び雄しべからなり,全長は約1cm,花冠は筒状で 5 裂し,雄しべは 5 本で,長い柱頭をもつ雌しべを囲んでいる。花粉はほぼ球形で,径約 50μm,黄色で表面に細かい突起がある。特異なにおいがあり,味はわずかに苦い。
また,「コウカ」の確認試験を準用する。

(16) キジツ
外面は濃緑褐色~褐色で,つやがなく,油室による多数のくぼんだ細点がある。切断面は淡灰褐色を呈し,内果皮を付ける部分は褐色を呈する。特異なにおいがあり,味は苦い。
また,「キジツ」の確認試験を準用する。

(17) ケイヒ
外面は暗赤褐色を呈し,内面は赤褐色を呈し,平滑である。横断面は赤褐色を呈し淡褐色の薄層が見られる。特異なにおいがあり,味は甘く,辛く,後にやや粘液性で,わずかに収れん性である。
横切片を鏡検するとき,一次皮部と二次皮部はほとんど連続した石細胞環で区分され,環の外辺にはほぼ円形に結集した繊維束を伴い,環の各石細胞の膜はしばしばU字形に肥厚する。二次皮部中には石細胞を認めず,まばらに少数の厚膜繊維を認める。柔組織中には油細胞,粘液細胞及び微細なシュウ酸カルシウムの針晶を含む細胞があり,柔細胞中にはでんぷん粒を含む。

(18) ゴシツ
表面は灰黄色~黄褐色で,多数の縦じわがある。切断面は灰白色~淡褐色を呈し,黄白色の木部を認める。味はわずかに甘く,粘液性である。
横切片を鏡検するとき,皮部はやや明らかな形成層によって木部と区別できる。木部の中心には小さい原生木部があり,これを囲んで同心円状の環状維管束が外方に配列し,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの砂晶を含み,でんぷん粒は認めない。
また,「ゴシツ」の確認試験を準用する。

(19) モッコウ
外面は黄褐色~灰褐色で,あらい縦じわがある。横断面は黄褐色~暗褐色で,ルーペ視するとき,環状暗色の形成層が認められ,木部組織と放射組織が放射状の模様を呈し,ところどころに大きな裂け目と褐色の油室が散在している。特異なにおいがあり,味は苦い。

(20) エンゴサク
外面は灰黄色~灰褐色で,切断面は黄色~灰黄緑色を呈する。味は苦い。
また,「エンゴサク」の確認試験を準用する。

(21) シャクヤク
外面は褐色~淡灰褐色を呈し,横断面はち密で淡灰褐色を呈し,木部には淡褐色の放射状の線がある。わずかに特異なにおいがあり,味は初めわずかに甘く,後に渋くてわずかに苦い。
また,「シャクヤク」の確認試験を準用する。

乾燥減量

15%以下。

灰分

5%以下。

備考

芎帰調血飲第一加減

薬価

規格成分名称分量薬価計(円)
日本薬局方トウキ2.0g3.076.14
日本薬局方ジオウ2.0g1.943.88
日本薬局方ブクリョウ2.0g2.394.78
日本薬局方ウヤク2.0g1.623.24
日本薬局方ボタンピ2.0g3.366.72
日本薬局方タイソウ1.5g2.483.72
日本薬局方ショウキョウ1.0g1.551.55
日本薬局方センキュウ2.0g2.274.54
日本薬局方ビャクジュツ2.0g2.95.80
日本薬局方チンピ2.0g1.172.34
日本薬局方コウブシ2.0g1.262.52
日本薬局方ヤクモソウ1.5g23.00
日本薬局方カンゾウ1.0g2.132.13
日本薬局方トウニン1.5g5.137.70
日本薬局方コウカ1.5g4.937.40
日本薬局方キジツ1.5g1.271.91
日本薬局方ケイヒ1.5g1.622.43
日本薬局方ゴシツ1.5g1.912.87
日本薬局方モッコウ1.5g1.832.75
日本薬局方エンゴサク1.5g4.947.41
日本薬局方シャクヤク1.5g2.874.31
日本薬局方全量35.0g87.11

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