成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム | 0.045g | |
日本薬局方 | ピリドキシン塩酸塩 | 0.1g | |
別紙規格 | L‐塩酸システイン | 0.16g | |
日本薬局方 | ニコチン酸アミド | 0.06g | |
賦形剤 | 日本薬局方 | デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物 | 適量 |
全量 | 4.5g |
製造方法
以上をとり,散剤の製法により製する。ただし,分包散剤とする。
用法及び用量
1 回量を次のとおりとし,1 日 3 回,食後服用する。
大人(15 才以上)1 包 1.5g,
11 才以上 15 才未満 大人の 2/3,
7 才以上11 才未満 大人の 1/2,
3 才以上 7 才未満 大人の 1/3,
1 才以上 3 才未満 大人の 1/4
効能又は効果
○次の諸症状の緩和:口角炎,口唇炎,口内炎,舌炎,湿疹,皮膚炎,かぶれ,ただれ,にきび,肌あれ
「ただし,これらの症状について,1 カ月ほど使用しても改善がみられない場合は,医師又は薬剤師に相談すること。」
○次の場合のビタミン B2B6 の補給:肉体疲労時,妊娠・授乳期,病中病後の体力低下時
貯蔵方法及び有効期間
遮光した密閉容器
規格及び試験方法
本品は定量するとき,
フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(C27H31N9Na2O15P2:829.52)0.9~1.1%,
ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl:205.64)2.0~2.4%,
L‐塩酸システイン(C3H7NO2S・HCl:157.62)3.2~3.9%及び
ニコチン酸アミド(C6H6N2O:122.13)1.2~1.5%を含む。
性状
本品は白色の粉末である。
確認試験
本品 1g に薄めたメタノール(1→2)10mL を加えて振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム 0.01g,ピリドキシン塩酸塩 0.02g,L‐塩酸システイン 0.035g 及びニコチン酸アミド 0.013g をそれぞれ薄めたメタノール(1→2)10mL に溶かして標準溶液(1),標準溶液(2),標準溶液(3)及び標準溶液(4)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 10μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に 1‐ブタノール・水・酢酸(100)混液(5:2:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 3 個のスポットは,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(4)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,この薄層板にニンヒドリンのアセトン溶液(1→50)を均等に噴霧した後,80℃で 5 分間加熱するとき,標準溶液(3)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは,赤紫色を呈する。
定量法
(1) 本品約 0.1g を精密に量り,薄めたメタノール(1→10)30mL を加えて振り混ぜた後,内標準溶液 5mL を正確に加え,更に薄めたメタノール(1→10)を加えて 50mL とし,ろ過する。初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム約 0.01g,ピリドキシン塩酸塩標準品0.02g 及びニコチン酸アミド標準品 0.13g を精密に量り,薄めたメタノール(1→10)に溶かして正確に 50mL とする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,薄めたメタノール(1→10)を加えて溶かし 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム,ピリドキシン塩酸塩及びニコチン酸アミドのピーク面積の比 QTa,QTb,QTc,QSa,QSb 及び QSc を求める。
フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(C27H31N9Na2O15P2)の量(mg)
=定量用フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムの量(mg)×QTa/QSa × 1/10
ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の量(mg)
=ピリドキシン塩酸塩標準品の量(mg)×QTb/Qsb × 1/10
ニコチン酸アミド(C6H6N2O)の量(mg)
=ニコチン酸アミド標準品の量(mg)×QTc/QSc × 1/10
内標準溶液 7‐(2‐ヒドロキシエチル)テオフィリンの薄めたメタノール(1→10)溶液(1→8000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:275nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1‐ペンタンスルホン酸ナトリウム 1g 及びリン酸二水素カリウム 1.3g を水 1000mL に溶かす。この液 900mL にメタノール 100mL を加える。
流量:フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムの保持時間が約 3 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム,ニコチン酸アミド,ピリドキシン塩酸塩,7‐(2‐ヒドロキシエチル)テオフィリンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
(2) 本品約 1.0g を精密に量り,移動相 30mL を加えて振り混ぜた後,内標準溶液 5mLを正確に加え,更に移動相を加えて 50mL とし,ろ過する。初めのろ液 10mL を除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用 L‐塩酸システイン約 0.035g を精密に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,移動相を加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する L‐塩酸システインのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。
L‐塩酸システイン(C3H7NO2S・HCl)の量(mg)
=脱水物に換算した定量用 L‐塩酸システインの量(mg)×QT/QS
内標準溶液 イソニコチン酸の水溶液(1→6000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1‐オクタンスルホン酸ナトリウム 1.5g を薄めたリン酸(1→1000)1000mL に溶かす。この液 950mL にアセトニトリル 50mL を加える。
流量:塩酸システインの保持時間が約 7 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,イソニコチン酸,塩酸システインの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
L‐塩酸システインの規格及び試験方法
本品を定量するとき,換算した脱水物に対し,L‐塩酸システイン(C3H7NO2S・HCl:157.62)98.0~102.0%を含む。
性状
本品は無色~白色の結晶又は結晶性の粉末で,特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→1000)5mL にピリジン 0.5mL 及びニンヒドリン溶液(1→1000)1mL を加え,5 分間加熱するとき,液は紫~紫褐色を呈する。
(2) 本品の水溶液(1→1000)10mL に水酸化ナトリウム試液 2mL 及びニトロプルシッドナトリウム試液 2 滴を加えるとき,液は赤紫色を呈する。
(3) 本品の水溶液(1→50)10mL に過酸化水素 1mL を加え,水浴中で 10 分間加熱した液は,塩化物の定性反応(2)を呈する。
旋光度
〔α〕(20-D):+5.0~+8.0゜(乾燥物に換算したもの 4g,塩酸(1→10),50mL)
純度試験
(1) 溶状 本品 1.0g を水 20mL に溶かすとき,液は無色澄明である。
(2) 重金属 本品 1.0g をとり,第 2 法により操作し,試験を行う。比較液には鉛標準液 2.0mL を加える(20ppm 以下)。
(3) ヒ素 本品 1.0g を分解フラスコに入れ,硝酸 5mL 及び硫酸 2mL を加え,白煙が発生するまで注意して加熱する。冷後,硝酸 2mL ずつを 2 回加えて加熱し,更に強過酸化水素水 2mL ずつを数回加え,液が無色~微黄色となるまで加熱する。冷後,飽和シュウ酸アンモニウム溶液 2mL を加え,再び白煙が発生するまで加熱する。冷後,水を加えて 5mLとし,これを検液とし,装置Bを用いる方法により試験を行う(2ppm 以下)。
(4) シスチン 本品 0.10g を量り,N‐エチルマレイミド溶液(1→50)50mL を加えて溶かし,2 時間放置し,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液 5μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。風乾後直ちに 1‐ブタノール・水・酢酸(100)混液(3:1:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これにニンヒドリンのアセトン溶液(1→50)を均等に噴霧した後,80℃で 5 分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは認めない。
乾燥減量
8.0~12.0%(0.5g,減圧・0.67kPa 以下,シリカゲル,24 時間)
強熱残分
0.20%以下(1g)
定量法
本品約 0.25g を精密に量り,共栓フラスコに入れ,水 20mL を加えて溶かし,更にヨウ化カリウム 4g を加えて溶かす。この液に塩酸(1→4)5mL 及び 0.1mol/L ヨウ素液 25mL を正確に加え,密栓し,氷水中で 20 分間暗所に放置した後,過量のヨウ素を0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液 2mL)。同様の方法で空試験を行う。
0.1mol/L ヨウ素液 1mL=15.762mg C3H7NO2S・HCl
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム | 0.045g | ー | ー | |
日本薬局方 | ピリドキシン塩酸塩 | 0.1g | 30.3 | 3.03 | |
別紙規格 | L‐塩酸システイン | 0.16g | ー | ー | |
日本薬局方 | ニコチン酸アミド | 0.06g | ー | ー | |
賦形剤 | 日本薬局方 | デンプン,乳糖水和物又はこれらの混合物 | 適量 | 0.75 | 3.10 |
全量 | 4.5g | 6.13 |
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