成分及び分量または本質
規格 | 成分名称 | 分量 | |
日本薬局方 | ジブカイン塩酸塩 | 0.5g | |
日本薬局方 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | |
日本薬局方 | l‐メントール | 1.0g | |
日本薬局方 | dl‐カンフル | 1.0g | |
基剤 | 日本薬局方 | 親水クリーム | 適量 |
全量 | 100g |
製造方法
以上をとり,クリーム剤の製法により製する。
用法及び用量
適宜,患部に塗布する。
効能又は効果
虫さされ,かゆみ,じんましん
貯蔵方法及び有効期間
遮光した気密容器
規格及び試験方法
本品は定量するとき,
ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl:379.93)0.45~0.55%,
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6:404.50)0.45~0.55%,
メントール(C10H20O:156.27)0.9~1.1%,
カンフル(C10H16O:152.24)0.9~1.1%を含む。
性状
本品は白色のクリーム剤である。
確認試験
本品 0.5g にテトラヒドロフラン 5mL を加えてかき混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする。別にジブカイン塩酸塩 2mg 及びヒドロコルチゾン酢酸エステル 2mg をそれぞれメタノール 4mL に溶かし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 2μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にジクロルメタン・ジエチルエーテル・メタノール・水混液(160:30:8:1)を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 254nm)を照射するとき,試料溶液から得た 2 個のスポットは標準溶液(1)及び標準溶液(2)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が等しい。また,これに紫外線(主波長 365nm)を照射するとき,標準溶液(1)及びこれに対応する位置の試料溶液から得たそれぞれのスポットは青色の蛍光を発する。この薄層板にアルカリ性ブルーテトラゾリウム試液を均等に噴霧するとき,標準溶液(2)から得たスポット及びこれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは,紫色を呈する。
定量法
(1) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mL を正確に量り,内標準溶液 3mL を正確に加え,メタノールを加えて 25mL とし,試料溶液とする。別に定量用ジブカイン塩酸塩約 0.02g を精密に量り,メタノールを加えて,正確に 20mL とする。この液 2mL を正確に量り,メタノールに溶かし,正確に 20mLとする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 3mL を正確に加え,メタノールを加えて25mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するジブカイン塩酸塩のピーク面積の比 QT及び QS を求める。
ジブカイン塩酸塩(C20H29N3O2・HCl)の量(mg)
=定量用ジブカイン塩酸塩の量(mg)×QT/QS × 1/4
内標準溶液 パラオキシ安息香酸ヘキシルのメタノール溶液(1→6000)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ドデシル硫酸ナトリウム 3g を薄めたリン酸(1→1000)に溶かして1000mL とする。この液 270mL にメタノール 730mL を加える。
流量:ジブカイン塩酸塩の保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸ヘキシル,ジブカイン塩酸塩の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
(2) 本品約 1.0g を精密に量り,テトラヒドロフラン 30mL を加えて振り混ぜた後,メタノールを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mL を除き,次のろ液 5mLを正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,メタノールを加えて 50mL とし,試料溶液とする。別に定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステル約 0.01g を精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 25mL とする。この液 5mL を正確に量り,メタノールを加えて正確に 20mLとする。この液 5mL を正確に量り,内標準溶液 5mL を正確に加え,メタノールを加えて50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 10μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾン酢酸エステルのピーク面積の比 QT 及び QSを求める。
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(C23H32O6)の量(mg)
=定量用ヒドロコルチゾン酢酸エステルの量(mg)×QT/QS × 1/2
内標準溶液 パラオキシ安息香酸エチルのメタノール溶液(1→12000)
操作条件
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)
カラム:内径約 4mm,長さ 15~25cm のステンレス管に 5~10μm のオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール・薄めたリン酸(1→1000)混液(55:45)
流量:ヒドロコルチゾン酢酸エステルの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 10μL につき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸エチル,ヒドロコルチゾン酢酸エステルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
(3) 本品約 2.5g を精密に量り,アセトン 30mL を加えて振り混ぜた後,内標準溶液 5mLを正確に加え,更にアセトンを加えて 50mL とする。この液をろ過し,初めのろ液 10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に定量用 l‐メントール約 0.05g 及び dl‐カンフル約 0.05g をそれぞれ精密に量り,アセトン 30mL に溶かし,内標準溶液 5mL を正確に加え,更にアセトンを加えて 50mL とし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液 2μL につき,次の条件でガスクロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する l‐メントール及び dl‐カンフルのピーク面積の比 QTa,QTb,QSa 及び QSb を求める。
l‐メントール(C10H20O)の量(mg)
=定量用 l―メントールの量(mg)×QTa/QSa
dl‐カンフル(C10H16O)の量(mg)
=定量用 dl‐カンフルの量(mg)×QTb/QSb
内標準溶液 サリチル酸メチルのアセトン溶液(1→100)
操作条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径約 3mm,長さ約 2m のガラス管にガスクロマトグラフ用ジエチレングリコールアジピン酸エステル及びリン酸を 180~250μm のガスクロマトグラフ用ケイソウ土に 5%及び 1%の割合で被覆したものを充てんする。
カラム温度:80℃付近の一定温度
キャリヤーガス:窒素
流量:dl‐カンフルの保持時間が約 4 分になるように調整する。
カラムの選定:標準溶液 2μL につき,上記の条件で操作するとき,dl‐カンフル,l‐メントール,サリチル酸メチルの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
備考
薬価
規格 | 成分名称 | 分量 | 薬価 | 計(円) | |
日本薬局方 | ジブカイン塩酸塩 | 0.5g | 377.2 | 188.60 | |
日本薬局方 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | ー | ー | |
日本薬局方 | l‐メントール | 1.0g | 16.9 | 16.90 | |
日本薬局方 | dl‐カンフル | 1.0g | 7.3 | 7.30 | |
基剤 | 日本薬局方 | 親水クリーム | 適量 | 2.08 | 201.76 |
全量 | 100g | 414.56 |
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